☆1月の例会

午前の部
大人7人、子供1人の計8人が参加いたしました。
まず、2019年度の京都アドラーグループ総会を行いました。議長は私が相務めさせて頂き、新代表・副代表選出の議案が承認され就任されました。また、新しい役員が加わることも承認されました。
その他、昨年度の例会の活動人数の報告や今年度の地方会に向けての準備の確認などにも触れました。

その後は各自エピソードを話し、勇気づけの歌を抄読、気づいたことや感じたことを自由発言で話し合いました。
その上でお一人のエピソードを取り上げ、ディスカッション形式でエピソード分析を行いました。

対処行動の代替案を出す場面では、Oさんの閃き鋭い提案がクライエントの認識反射を引き出し、クライエントも勇気づけられた様子でした。

昼食は御幸町通御池上ルにある、カフェ&レストラン サラオ。チキンライスは一度食べる価値ありの旨さです。(雀荘で出るチキンライスを想像したら大間違い)

午後の部
大人5人の参加でした。午前の参加者から、母子が一組と大人1人が抜けて残ったメンバーです。

Aさんの提案で、エピソード分析の手順をなぞって復習しつつ、私たち非熟練メンバーにできるだけ正確に学んでもらおうという大変有り難いものでした。
AさんCさん以外の私を含む3名がそれぞれ、エピソード分析にまつわる理解の出来ていない点を質問するなどして約1時間を費やしました。
私個人としては、カウンセラー役をやっていてずっと引っかかっていた一つの疑問点をスッキリさせて頂けました。

その後、私のエピソードを題材に、実際にエピソード分析に取り掛かりました。
私ともう一方は、「はじめてのエピソード分析」という講座を受けさせて頂いた際のテキストを持っていたのですが、この場ではAさんが示して下さったエピソード分析の流れだけを書いたフローチャート図を拝見しながら進めることで、いつもより迷わずにエピソード分析の流れを把握できました。
またこの時のエピソード分析も、全員参加型のディスカッション形式でしたが、大きくはAさんとCさんがナビゲートの視点を効かせて下さっていたので、脱線などはなく進んで行きました。

エピソードの内容としては大まかに述べますと、私と妻の家事におけるささいな考え方の行き違いから言い合いに発展したものです。

エピソード分析をして頂いた私個人としての感想は、ライフタスクにおける私の思考を聞くパートで何気なくだした一言をAさんとCさんが見逃さずに、むしろそこが気になるのよね〜と、そこから妻の内心をズバリ言い当てておられたのには、内心びっくりし且つ感動しました。いくつか出した感情的思考の言葉で、私が一番気になるとしたのはむしろ別の言葉だったのですが、それでもお二人はそれではない言葉から、このエピソードの裏に潜む私と妻の真意にたどり着いてしまっている。これがアドレリアンとして経験値と構えを積んで生きてこられた方々の力かと、感動しました。

また、なかなか構えの変わらない私に対してAさんが、「正対」して下さったのも今回やはり非常に効きました。色々と気付かされる体感があり、これからの行動に活かしていけると考えました。

午前・午後を通しての個人的な感想です。

総会においてAさんCさんが発言されていたのですが、これからのアドラー界の世代交代や継承において、どんな時でも協力的であることという野田先生から受け継いだ正統を、きちんと次世代に受け継いで行くこと。その為に自分たちに何が出来るのか。

そして午後のエピソード分析で、AさんCさんが常に、協力的な方向に向かってクライエントを勇気づけようという基本的な構えが見に染みておられたと感じた。

上記を踏まえて考えたことは、技法を学び、体得することも大変重要なことなので、今後も数稽古を続けて行きたいと思います。
そして何より、協力的に日々生きて考える。私個人としてアドレリアンとしての姿勢が染み入っているかが更に重要なのだと。

☆2月の例会

午後からカウンセリングの練習を2例行いました。
一例目は私がカウンセラーをやらせていただきました。
いつも指摘される「しゃべりすぎ」と、私自身のテーマとして「クライエントさんを裁かない」ということを目標にやらせて頂きました。
エピソードを聴いて、仮想的目標までは何とかたどり着きましたが、そこから、競合的か協力的かの確認の段取りをわすれていて、ドタバタしてしまいました。
何とか最後までいき、無事にクライエントさんがとてもいい代替案を考えてくださりました。さらにとてもたくさんのことを自ら気づかれていて、とにかくほっとしました。
「クライエントさんを裁かない」ということはできたかなと自画自賛。相変わらずしゃべりすぎ、閉じた質問が多すぎと言う御指摘を受けました。
私はどうもこうと決めると融通がきかないようで、自分が思い描いた方向に進まないととても不安になってしまいます。そんなときに、強引に閉じた質問で進めようとしているのかなと思いました。クライエントさんを信じて、クライエントさんの語った言葉を使って、ゆっくり待つということが大切かなと思いました。質問の作り方も技術として教えて頂きました。

 もう一例は私がクライエントになり、奥様とのやり取りを取り上げて頂きました。
我が家は冬のストーグはガスファンヒーターなのですが、空気を取り込む所に、ホコリがたまるので、掃除をするときには掃除機でそこをすうように奥様からいわれています。私も心得て、そこもやって、さらに他の場所を掃除機かけていました。すると、
妻「ストーブの後ろ私がするわ」
私「いや、やったよ」
妻「あっそう」といってどこかへ行ってしまいました。

と言うエピソードです。
仮想的目標は一度ストーブの後ろをみて、「あ、本当だ、きれいだ、疑ってごめんね、ちゃんとしてくれてたのね」
でした。
ごめんと謝ってもらいたいのだから、競合的と考えて、その時の考えを調べました。「ちゃんとやってるのに、認めてもらえてない、少しでもあなたのお役に立とうと思って頑張ってるのに、」といったものでした。私自身家では、こう言う時、「2人とも目指しているのは、きれいなお家」、協力し合おうとおもって、陰性感情をなるべく消していました。
私の私的感覚は「人は役に立つべきだ」となりました。
セラピストさんから、「奥さんが満足するまで掃除をするか、僕は役立ちたいんだということを伝えるかどちらがいいですか」と提案があり、私は後者を選びました。
「奥さんはどう言う方ですか」ときかれて、私は「とても細かいんです」と答えました。
その時、「ああ、そうか」と自分で気づきました。
細かいあなたとおおざっぱな私とで、あらそっていたのかなと。
そうわかると、なんかすべてがどうでもよくなりました。
「あなたはどうやってるのか教えて、そうか、これからはこのやり方でやるから、安心して」ということにして、終了となりました。
その後のシェアリングで、これを実際にやっても奥さんはどうせ満足しないし、奥さんも「あの人はどうせこんなもん」とおもっているんじゃないかと、メンバーさんから意見がありました。そういわれると、そんな気もしてきて、たしかに、この台詞をいっても、あまり奥様は喜ばないような気がしてきました。
それより、「僕って役に立ってるかな」と尋ねてみてはと意見が出ました。こうすることで私の方の「役に立ちたい」と言う気持ちも現実的な所に落ちつくだろうし、奥様の方も、「一応私の役に立ちたいと思ってくれているんだ」ということが伝わっていい塩梅に落ちつくのではないだろうかという意見がでました。
掃除以外のことで、そう訊いてみようと思います。
と、こんな感じで、大変学びの多い例会でした。

☆3月の例会

今回、初めて京都アドラーグループの例会に参加させていただきました。ありがとうございました。

 始めに、それぞれが最近の印象的なエピソードを紙に書いて、そのエピソードを紹介しながら自己紹介をしました。次に「基本前提の歌」の全文を朗読後、5つの基本前提の中の「個人の主体性」「目的論」に照らし合わせて自分の書いたエピソードを見直しました。私自身のエピソードを見つめ直すことで相手の目的にも気づくことができ、協力的に生きるためにどうしたらいいかを考えるきっかけになりました。

 午前中のエピソード分析では、あらかじめ「代替案を2つ以上考える」という目標設定がありました。これまで私がパセージや自助グループの例会で代替案を作る時、参加者から複数の代替案が出されることもありますが、それを目標として意識したことはありませんでした。さらに複数の代替案が出された時は、ロールプレイをしてみて事例提供者から実行しやすい代替案を選んでもらうことがほとんどでした。
 今回は親子のやりとりの事例をもとにエピソード分析をした後、参加者から4つの代替案が出されました。私にとってどの代替案も「お母さんは仲間」と感じるものでしたが、実際にロールプレイで見るとイメージしていた代替案とはかなり印象が異なり、改めてロールプレイの力に驚かされました。
「子どもに何を学んでほしいのか」「共同体感覚を育成する」という視点で代替案を考えたり選んだりしていくことの大切さと、複数の代替案を考える必要性にも気づくことができました。

 午後からは、カウンセリング練習がありました。クライエント役から職場での事例が出されましたが、ここでも代替案を作っていく時に、「相手や相手の所属する部署が自立する」「私に自分の部署が期待していることをする」といった共同体感覚の視点が大切なことを学びました。

 パセージプラスに、「どのような場合に対処行動は成功するのでしょうか。それは、協力的目標に向かっているときです。そのような場合には、ふつうは双方に陰性感情がありません。そのような場合の対処行動を「勇気づけ」といいます。(5-L2.成功する対処行動の特徴)
さらに、「育児の目標は共同体感覚を育成することです。共同体感覚というのは『これはいったいみんなにとってどういうことだろう。みんながしあわせになるために私は何ができるのだろう』と考えることです」(12-L1.世のため人のために生きる)とあります。

 今回の例会では、共同体感覚について深く学んでいきたいというきっかけになりました。これからも都合がつけば、ぜひ例会に参加させていただきたいと思います。ありがとうございました。

☆4月の例会

私のエピソードを扱って頂きました。
私にはこの春から大学生の娘がいます。春休みのことですが、連日夜遅くまでおきていて、光がもれて、時々目が覚めて、体調が悪くなることが続いていました。

夜中の2時ごと、明るさで目が覚めて@
私「なにしてんの」(1)
娘「生物のレポート」A
私「そんなん朝早くおきてやってよ」(2)
娘「はいはい」Bといってその後風呂に入って寝ました。

感情は最初からー4、怒りであまりかわりませんでした。Aの時別の感情が出てきました。私は娘がゲームをしているとおもっていたので、叱りやすいとおもっていたのですが、想定外で、戸惑う感じでした。

最初カウンセラーさんが(1)を対処行動にして仮想的目標を考えました。
その時は
「ごめん、ゲームやめてねるわ」でした。

メンバーさんから、仮想的目標に、実際とは違うことがはいっているのはどうなんだろう?という意見が出、カウンセラーさんがやり直しで、(2)を対処行動としました。
その時に仮想的目標は
「ごめん、朝からパパは仕事やったね、すぐやめて寝るわ」でした。

これは協力的と考え、このことを伝える練習をしました。
「生物のレポートか、大変やな、でもパパも明日は仕事やし、早く寝てくれるとうれしいねんけどな」とセリフを決め、ロールプレーで練習しました。無理なく言えそうな気がしました。

近畿地方会の取り組みで、もう一つの代替案を考えました。
メンバーさんから、「大切な話」(パセージプラス10−Lという意見が出、それを考えました。

結論「夜は1時ごろには消灯してください」
理由「というのも、年をとると、一度目が覚めるとなかなか寝付けないので、翌日体調がわるいからです」
次のたとえ話がなかな決まらず、娘が甘いものが好きということで、次のようなものになりました。
「例えば、楽しみにしていたケーキをを食べ始めて、一口二口で『そこでストップ、続きは2時間後』って言われた感じかな」
というものでした。

二つとも明るい感じの素敵な提案でした。

カウンセラーさんが丁寧に、手順通り進まれるのがとても印象的でした。私のことを大切に扱ってくれているんだという感じがとても伝わりました。
皆さんのおかげで、娘との付き合い方を振り返る機会となりました。ありがとうございました。

☆5月の例会

5月12日の例会の報告をいたします。

午前中は、まず、「基本前提の歌」を皆で読みました。その中で17番から22番の全体論についてお話をしました。

ガチャガチャをするために祖父から400円を借りたため、自分の通帳からお金を下ろして返してほしいと言う長男さんのエピソードについて皆で聴きました。
息子さんはガチャガチャで手に入れたグッズを集めるために、さらに1000円ほど貯金をおろしてほしいと言ってこられます。お母さんは(−1)ほどの陰性感情でお話を聴き続けます。

息子さん「お母さん、○○(息子さん)の通帳から400円出してじいちゃんにわたしてくれへん?」(-1)
お母さん「うん?」
息子さん「今日、イオンでガチャガチャしたときにおじいちゃんに借りてん。」(-1)
お母さん「え、借りたの?」
息子さん「うん、コナンのガチャして服部が出たんや。」(-1)
お母さん「ふーん、よかったね」
息子さん「コナンのグッズ、もっと集めたいわ。もっとやりたかったのに『あかん、やめとけ』っていうんやで」
    「なあ、おかあさん、明日○○(息子さん)の通帳から1000円出してきてくれへん?」(-1)
お母さん「うーん、○○(息子さん)はいくら使おうと思っているの?通帳にどれだけ入っているか知っているのかな?」
息子さん「えー、○○○○円位やろ?大丈夫や」
お母さん「えーっとね、お年玉13000円でね正月に7000円くらいのおもちゃ買って、GWに4600円使って今日400円であと1000円くらいしかないよ」
息子さん「えー」
お母さん「正月に半分くらい残すって言ってたけど、どうするつもりなん?」
息子さん「えー、そやったかな。だいたいな、○○(息子さん)ん家な、お年玉が少ないねん。親戚が少ないからな。△△君は〇万円、●●くんは〇億円」(-2)
お母さん「億はないんじゃない?」
息子さん「みんなもっともらってるんやって。○○(息子さん)のお金、自分で使ってなんであかんの?」(-2)
お母さん「うーん、なんというか…」
息子さん「あー、はいはい、わかりましたよ。」(-1)

息子さんのお金の使い方についてお母さんは気にされていましたが、皆でお母さんと息子さんの良い面について考えました。

・借りたお金をちゃんと返そうとする責任感のある息子さん。
・正直にお母さんに話をする息子さん。
・熱中、没頭できるエネルギーある息子さん。
・お金を使えるように交渉できる力のある息子さん。
・無理だと思ったら潔く引き下がる息子さん。
・穏やかに息子さんの話を聴くお母さん。
などなど多数出ました。

今後の方針として

 @お金の使い方は、「自立する」という子育ての目標に直結することで重要なので、親から申し出て共同の課題にする。 
 Aお金の使い方について息子さんから話を聴く。
 B(その年以前の貯金までは使っていないとのことから)まかせる。

以上の三つの案がでました。

昼食は麩屋町御池上るの最近できたホテルリソルトリニティ1Fにある「BLUE BOOKS cafe」でいただきました。僕は「京バーガー」をいただきましたが、とても美味しかったです。ブルーノート・ジャパンがプロデュースする店内は、演奏されることもあるそうで、音響がとても良い印象でした。

午後からはカウンセリングの練習で、私がクライエント役をさせていただきました。

くたびれて仕事から帰り、機嫌の悪い妻にいつもの段取りなら洗ってくれる弁当箱を、流しにばらして入れていないとの理由から、洗ってもらえなかったというエピソードです。

妻が食器を洗う際、時々子どもたちが洗い終えるまでに弁当箱を出すのを忘れた場合、自分たちで洗うこととなっています。その日は二女が忘れた様子でした。
妻「洗い物全部終わりました。あとは自分で洗ってください。」(-1)
僕「また、○○(二女)が弁当出してなかったの?」
妻「はい、あなたもですよ」(-2)
僕「え?出したと思ったけど…(流しの横にあることを確認して)横にあるやん」
妻「ちゃんとバラして浸けてもらわないと洗いません」(←いつもは横に洗ってくれていたのに今日に限り)(-3)
僕「そんなの、新ルールやん!」
妻「もう、洗いません。自分で洗ってください」(-3)
僕は腹を立てて、もったいないですが食洗器に自分の弁当箱だけ入れてガラガラの状態で洗いました。

「そんなの新ルールやん!」の部分の対象行動をとり、分析をしました。
ライフタスクは「ちゃんとバラして浸けてもらわないと洗いません。」(-3)
仮想的目標は「(もう一度弁当を洗って笑顔で)これからはちゃんとしてよ。弁当箱を拭くくらいは手伝ってよね」と言ってもらうことでした。
 最初は仮想的目標を「協力的」ととってもらい、いつも洗ってもらっていること、お弁当を作ってもらっていることを改めて確認し、代替案は感謝の思いを込めて「いつもありがとう。これからはバラして浸けるようにするわ。でもそれなら前もってそう言ってほしかったなぁ。」と言ってみることでした。実際にロールプレイをしてみたら、カウンセラーさんから「ぶっきらぼうでふてくされてるみたいですよ…」との印象を伝えてもらい、周囲からも「まだ(私の)構えが変わっていない」との印象だとのことでした。私自身はエピソードを話させてもらっている段階で妻に対して「いつもよくやってもらっているよなぁ」と改めて感じていたので、構えは変わっていたつもりだったので意外でした。
 今度は「競合的」ととってもらい、私的感覚を出しました。
私的感覚の(−)は「怒って話す」と「勝手にルールを変える」が出てきましたが、「どちらが大切ですか?」と更に聞かれ、今日の相談の当初に言った「怒った人に対する接し方に困っている」を思い出し「怒って話す」を選びました。
 カウンセラーさんから「『怒って話す』を肯定的に表現すると、どうなりますか?」と聞かれ「情熱的に話す」が出てきました。その時「怒って」を「情熱的に」とすることでマイナスを和らげ、私の心の中ですこし人の怒りに対する考えが変わった様に感じました。
実際にロールプレイでカウンセラーが提案下さったとおりに、妻のセリフを言ってもらったあと、「情熱的やなぁ…」と一拍思いながら次のセリフを言うと、妻が怒っていることが私の問題ではないことをはっきりと感じられ、妻の感情に巻き込まれない感覚を体験できました。私の中の争いのような構えもすっかりなくなり、先ほど感じていた感謝以上のありがたい気持ちが出てきました。

 今日のカウンセリングで私は、不機嫌な人との関わり方についてとてもいい体験が出来たと思います。長い間、不機嫌な人に困っていた自分にとって、理屈ではその人の問題だとわかりながら巻き込まれていたことから解放されそうです。エピソード分析の凄さを改めて体験することができました。
本日大変勉強になる会となりました。本当にありがとうございました。

☆6月の例会

午前は、各自エピソードを書き、「基本前提の歌」の23〜34(社会統合論)を読み、学び合いました。

エピソードといえば陰性感情を持った出来事を話題にすることが多いのですが、今回うまくいったお話を聞いていただきました。

私:話したいことがあるんだけど、聞いてもらえるかな?
息子:いいよ
私:階段の手すりに積んである洋服のことなん
息子:うん
私:あれ、部屋の中にしまってほしいねん
息子:あー
私:自分のものは基本的に各自自分の部屋に入れて、公共のところには私物を置きっぱなしにはしない、っていうのが私の好みなんやわ
息子:うん
私:公共のところは掃除とか飾りとか、私に任せてくれてるやん?そやし、今のところは私の好みに合わせてくれると嬉しいんやけど、どうかなあ?
息子:うーん、まあわかった
。。。
しばらくして階段の手すりをみると、積んであった洋服がなくなっていたんです!
その後もしまってくれるようになりました。

というお話でした。

これまで何度も何度も、洋服を階段の手すりに積み上げているのはおかしい、タンスにしまうべきだ!と主張し続けてきたのにしまってもらえず、諦めてしばらく過ごしていたことだったのです。
しかしふと、お願いしてみようという気になって、言葉にしたらこうなりました。

あまりに意外な結果だったので皆さんに聞いていただきましたが、そのメカニズムについても意見をいただき、やはり科学なんだとわかりました。
みなさま、ありがとうございました。

☆9月の例会

午前は
まず近畿地方会をふりかえって、皆様とお話をしました。
次に、「基本前提の歌」の抄読会を行いました。(35〜44認知論について)

午後からは
グループカウンセリングを2ケース行いました。

2つのうちの1つは、私の案件を取り入れていただきました。
友人と食事をして夜中の1時に帰ってきた私に、翌朝6時に起こしてほしいと依頼する高2の娘との会話です。
私が夜中に帰ってきたときに娘が2階から降りてきて会話が始まりました。

私「まだ起きてたんや」(-1)
娘「ああ、(2階から)わざわざ降りてきたのは、お父さんにお願いがあって降りてきてん。」(+1)
私「うん?何やろ?」
娘「明日、6時に起こしてほしいんです。絶対に起きないといけないので。」
私「ああ、そうなんや…っていうか自分で起きんかい!工夫できひんの?」(-1)
娘「目覚まし、兄ちゃんに取られてしもてん。」(-0)
私「そうか…なら、タイマーかけとくわ。こんな時間やし、無理かもしれへんで…というか、寝たらいいのに!」
…というエピソードでした。
対処行動は、「ああ、そうなんや…っていうか自分で起きんかい!工夫できひんの?」
ライフタスクは、娘から「明日、6時に起こしてほしいんです。絶対に起きないといけないので」と言われたこと。
仮想的目標は、娘から、
「あ〜、頼むのが遅かったな。今からやったらお父さん寝れへんもんね…あ〜、私はいつも工夫しないで人をあてにするなぁ…目覚まし兄ちゃんに取られたし、今回だけ助けてくれへん?これからは本当に気を付けるから…目覚ましもちゃんと買ってきます。それと、もうすぐ寝ます!」と言ってもらうことでした。

目標を競合的ととり、私的感覚を取っていただきました。
思っていたことは、
「先が読めへん子の割には、明日のこと考えているやん。」
「しんどいな。」
「(娘の)期待に応えられへん…それやったらはよ言えよ。」
「人を当てにするなぁ。最初から人を当てにしてるやん。」
「気持ちよくひきうけられない。」
…などでした。
私的感覚のマイナスは、「しぶしぶ引き受ける。」プラスは「快く引き受ける。」でした。

「結局引き受けるんだ…」とボソッとおっしゃってくれる方があり…そうだよなぁ、私は娘に甘いよな…と思ったり、娘が寝坊して慌てるのは娘の課題でを見たくないというのは私の課題だと理解しつつ、娘がこれ以上遅刻できない事情は聞いていたことや、その時の私には、何より頼まれていることができないことではなかったことから、この時点で私の中に「娘の依頼を断る」という選択肢がありませんでした。むしろ、娘には、人に頼む時は早めに頼むなど、配慮をして頼んで欲しいという思いに執着していました。
 なかなか構えが変わらない私に、「当初、相談の始めに「高校生にもなっているのでもう、自立してほしい」ということも言っておきながら、起こしてほしいという依頼を引き受けるということ自体がそれを妨げる行為をしているんじゃない?(自立できなくしている)片棒を担いでいるのでは?」と矛盾を言ってくださるメンバーがいてくれて、はっとしました。理屈ではわかっていたのですが、自立できない手伝いをしていると言われて、自分の「引き受ける」という意思がガラガラと崩れていくのがわかりました。
 ここで、もう一度ロールプレイをすると、いかに自分が娘の自立を妨げているかがわかり、甘やかしている自分がありありとわかりました。その時の景色の変わり方に本当に驚きました。
代替案は、ライフタスクを言われたときに、「あ、そうなんやね。お父さん、今から寝たら起きる自信がないから、頑張って起きてくれない?」といい、もし、娘から「目覚ましを取られて起きられない」と言われたら、「工夫できないかなぁ」と自身で考えて解決してもらうことでした。
 頼まれたことを快く引き受けることは、時には自立を妨げることもあり協力の履き違えをしていている、勇気をくじくこともあるということがよくわかりました。これからは、何か頼まれたときに、自立を妨げていないか、子どもの学ぶ機会を奪っていないかなど、勇気づけができるチャンスを逃さない対応をしっかりとしたいと思いました。

 (後日、別の代替案が出され、アドラーネットに掲載されています)

もう1つのケースでは、どちらが正しくて間違っているかという不毛なことよりも、相手の方とよい関係性を続けるためにどうするかというところに注目していたいですよね、ということを私は学べました。

今日は、グループカウンセリングの複数の方の意見と知恵が大きなパワーになることを体験出来て、とてもうれしく思いました。ありがとうございました。

*報告を作成できていない月もあります。

2016年の例会

2017年の例会

2018年の例会

2020年の例会