☆2月の例会

本日は、見学の方4名を含む、10名の参加者と、賑やかな例会になりました。

自己紹介の後、エピソード分析を行いました。私がクライアント役でした。

家族構成は、私、妻、娘(6歳)の3人家族。娘のことについて相談しました。娘は、機嫌を悪くすると、「うー!」とか「ムー!」とか言うだけで、言葉で考えていることを伝えてくれないことが時々あって、イライラすることがあります、と話ししました。
事例は、数日前の午後11時前ぐらいの話です。私は、自分の部屋でパソコンを見ており、妻は寝室で寝かかっており、6歳の娘はリビングで何かしておりました。(カッコ内は感情の点数)
娘:「パパ来て〜」(0)
私:「何?」と言って、隣のリビングに行く。
娘:仰向けのままでパジャマの上着を着ようとしているが、うまく着れずにもじもじしている。(-1)
私:「どうしたの?」
娘:「うー!」といいながら、パジャマをバタバタさせている。(-2)
私:「起き上がった方がパジャマ着やすいんじゃない?」
娘:「ムー!!」(寝たまま、私の顔を見ている)(-2)
私:(ちょっと黙ってから)「手伝おうか?」と言って、手を差し出す。
娘:私の手をつかんで、上体を起こす。(-1)
私:「甘えん坊さんやなあ」
娘:ニコッとしながら、パジャマを着た(私も少し手伝った)(0)

対処行動は、「起き上がった方がパジャマ着やすいんじゃない?」
ライフタスクは、「うー!」
感情は、怒り、面倒臭い、
思考は、「(かまって欲しいのはわかるけど)できることは自分でしようよ。(もう、6歳なんだから)うー!とかじゃなくて、ちゃんと言葉で頼もうよ。。。」。
(カッコ内は、カウンセリング時には言っていませんが、今書いていて思いついた内容です)
カウンセラーからは、できることをしないのと、口で頼むのと、どちらが大事ですか?という質問あり、両方だけど、できることをしない方が嫌かな、と返答しました。

仮想的目標は、「そうだよね。起きた方が着やすいもんね。もっと、パパの都合に協力して、これから自分のことは自分でするよ!」
下線部は、かなり丁寧に確認。(私の自己執着をはっきりさせるため)

この仮想的目標については、競合的にも取れるし、協力的にも取れるが、私が「このやり取りは権力争いだよね」といったこともあったし、カウンセラーは、「競合的」と解釈して、私の私的感覚を分析する方向に。

私的感覚のプラス側は、「できることは自分でする。できないことは言葉で頼む」
マイナス側は、「できることを人にやらせる。できないことをぐずって頼む」
でした。

では、その上で、「このエピソードでは、どこのセリフを変えれば、言葉で頼んでくれそうですかね?」というカウンセラーからの問いに、「May I help you?」という言葉が頭に浮かびました。それなら、、、と、分析した部分の1つ前のセリフである、「どうしたの?」という部分を、「何かお手伝いしましょうか?」とか「パパに手伝えることはありますか?」と変えればいいかな、という話になりました。
でも、少し私の体が抵抗しています。それに対して、カウンセラーは、「6歳の娘さんが、あと何年パジャマを着替えさせて欲しいとお願いしてくれると思いますか?」と、娘の父親としての親心をくすぐります。(自分の都合を優先する、親心の少ない私でも、この言葉はやはり少しは響きました。)
少し体の抵抗が緩んだあと、「喜んで手伝いますか?それとも、イヤイヤ手伝いますか?」というカウンセラーからの選択肢に、苦笑しながら、「イヤイヤ手伝います」と正直に返答しました。
次の機会には、「何かお手伝いすることはありますか?」という言葉と、「イヤイヤでもいいから手伝いする」という行動の練習をすることで目標の一致が取れ、カウンセリングは終了しました。

後からエピソードを見ると、権力争いになった後、私の方がそれから降りて、「手伝おうか?」と言ってますから、最初からそれを言えばいい、といえばそれまでですが。。。しかし、私の構えが最初から競合的(娘を裁いていた)ので、手伝おうか?と言っても、おそらくは、娘は抵抗していたでしょう。
でも、「何かお手伝いすることはありますか?」という言葉と、「イヤイヤでもいいから手伝いする」という行動のセットをすると決めていたら、最初から私の構えが変わりそうな気がします。

イヤイヤでいいから手伝いする、という助言で勇気づけしてくれるのは、さすがアドラー心理学のカウンセラーだなあ、と感心しました。

皆様からは、アルゴリズムに沿った丁寧にカウセリングを進めていて、とてもわかりやすかった、患者さんとクライアントがとても協力してカウンセリングしており、とても暖かい雰囲気だった、などの感想をいただきました。

おかげさまで、見学4名、すべてその場で、うちのグループ会員になってくれました。

他に、私が参加する近畿地方会の話の打ち合わせを行って、例会を終了としました。

☆3月の例会

この日は、たくさんの方に参加いただきました(14名)。
遠方からもご参加くださり、本当にありがたい限りです。

今回も、エピソード分析をしました。
カウンセラー役は、私がさせていただきました。
人の前に出てカウンセラー役をやるのは初めて!でしたので、大変緊張しました。
手順についてもおぼつかないところも多々あり、皆さんに助けていただきながらカウンセリングを進めていきました。
クライアントさんが語ってくださったエピソードは、次のようなものでした。

 姉妹(6歳と2歳)がリビングで遊んでいたとき、姉が妹の頭をたたきました。(陰性感情マイナス2)
 (クライアントさんは、お二人のお父さんです。妹が姉のシールで遊んだために姉が怒りました)
 お父さん:(姉に対し)あのな、妹は、それはお姉ちゃんのものとわかると思う?
 姉:「うん」(陰性感情マイナス1)
 お父さん:「わからへんと思うけど」
 姉:「でも、私のおもちゃを持ってきてって言ったら、持ってきてくれるもん」(陰性感情マイナス3)
 お父さん:「じゃあ、わかってるとしても、妹は遊んでしまうんと違う?」
 姉:「ばか!」(陰性感情マイナス4)
 お父さん:「シールをのけておいたらいいんとちがう?」
 姉:「ばか!!お母さんがいい!」(陰性感情マイナス5)

エピソードを聞いた後、手順にそって進めていきました。
きれいなピンポンゲームとなっていたので、まずはそれを見ていただき、対処行動、ライフタスクを選びました。
(対処行動:「あのな、妹はそれがお姉ちゃんのものとわかると思う?」としました)

クライアントさんに仮想的目標を確認したところ、「そやな、お父さんの言う通り!妹はまだちっちゃいし、わからへんもんな。 妹と一緒にシールで遊んであげるわ」でした。

これをお願い口調で言ってみても、競合的という実感がわかず、皆さんのお力を借りながら、まずは協力的な目標とし、 思考や私的感覚はさがさずにお姉ちゃんにどう伝えるかを一緒に考えました。

ただ、お姉ちゃんは怒っていますので、まずはどうするかをクライアントさんと相談したところ、クライアントさんは「ぎゅっと抱っこしてあげる」と おっしゃったので、その方法でお姉ちゃんが落ち着いてから話すこととなり、その練習をしました。
クライアントさんは、話しをされる中で、いろいろと気づいていかれるみたいで、クライアントさんにもたくさん助けていただきました。
ただ、クライアントさんを観察していると、最後、にこにことはしてくださっていましたが、例えばお姉ちゃんのパーソナルストレングス をお姉ちゃんにどう伝えるかを考える前などに聞いたら、もっとすっきり、納得してくださったんじゃないかなと思いました。

エピソード分析は、私はとても緊張してやっていたのですが、皆さんからは「落ち着いていた」「周りからの援助をすぐに カウンセリングに切り替えてやれているのには感心した」「クライアントさんのちょっとした動きや表情に気づき、クライ アントさんへ「どうされましたか?」と聞けるのはすごいと思った」などとといった言葉をいただき、とてもありがたかったです。 (私の中ではあわあわしながらやっていたので、そんな実感はなかったのですが…。でも周りの人にそう見えているのは とても大事なことですね!)

今回のエピソード分析で私が学んだことは、
 ・手順をもっと復習して、そらでできるようにすることは大切
 ・クライアントさんへ「ここでこういうことを聞いておく」という質問をいくつか頭の中に用意しておき、必要な場面場面で 使えるようにする、などです。

クライアントさんの勇気づけになるようなエピソード分析とはならなかったかもしれませんが、お付き合いくだった クライアントさんに、感謝いたします。

また、エピソード分析中、温かく見守り、また援助してくださったメンバーの皆さまにも、ありがとうございました。

☆4月の例会

1.近況報告
 今月は、女性が5名、男性が3名参加してくださいました。例会の最初に、メンバーさんからの近況報告がありました。「前回は、どんなことを学ばれましたか」という問いかけを受けて、先月の例会で学んだことや、その後のことについて、シェアしてもらいました。
次に、先日、京都で開催された「特殊講義と演習(共同体感覚)」に参加されたメンバーさんから、お話や感想を伺いました。共同体感覚について深く学べたというご意見や、理解しにくかったことについてメンバーさん同士で話しあったりしました。
「これからも、もっと学びを深めたい」と、気持ちをさらに高められたとのご感想がとても印象に残りました。私もいつか参加してみたいなという気持ちになりました。

2.カウンセリング練習
 エピソード分析をしていただきました。今回の事例は、「あいさつ」をめぐっての考え方の違いから、夫婦間で葛藤になった事例でした。
 まずは、エピソードを聴きます。そして、それを書き取るために、もう一度エピソードを聴きます。
 次に、書き取ったものを見ながら、対処行動、ライフタスク、そして仮想的目標を話しあっていきます。仮想的目標が見つかったら、まずはそれを協力的目標とみなして、相手役にそう言ってもらえるような言い方を考えていきます。言い方を考えてロールプレイをしたみたところ、協力的だと思われました。そこで、代替案を工夫する方向で考えていきました。
カウンセリング終了後、メンバー全員で事例を振り返ります。そこで、この事例では、仮想的目標を協力的ではなく競合的目標にとるほうがよかったのでは、という意見がありました。競合的という流れにするためには、ロールプレイの段階で、事例提供者に仮想的目標が競合的であることをしっかり認識してもらおう、とのまとめでした。
競合的であることが分かれば、クライエントはその仮想的目標はあきらめ、私的感覚を探し、協力的な目標を見つける方向に目を向けるようになります。仮想的目標を競合的ととるか協力的ととるかは、時に微妙な判断になるのですが、競合的な目標ととったほうがクライエントにとっていいと思われる場合に、それを協力的ととってしまうと、その後のカウンセリングの流れを作るのに苦労することもあるようです。 とはいえ、カウンセラー役さんは、カウンセリング全体を通して、とてもやさしい、安心感のある雰囲気で問いかけてくださいましたので、クライエントとしては気持ちよく話をすることができました。カウンセラー役さんが何かを語って伝えようというのではなく、問いかけてクライエントに気づいてもらおうとする姿勢が、素敵だなと思いました。
気づいてもらうためには、じっくり時間をかけて「待つ」ことが必要です。その「待つ」姿勢がカウンセリング全体に暖かい余裕感を作り出しているのと同時に、クライエント自身の解決する力を信じてくださっているのがじわっと伝わってきて、とてもうれしかったです。

3.家族会議
 家族会議について、パセージプラスのテキストを参考に点検し、今後の方向性などをみんなで話し合いました。参照したページは、家族会議(28-L)、会議のコツ(29-R)などです。
 家族会議の実践例を振り返り、できていたところ、不十分だったところを確認し、次の家族会議の目標と方向性を話しあっていきました。
 テキストを読みながら、1つ1つていねいに点検することは、とてもよい復習になります。また、次の家族会議をするときのポイントを、あらかじめ、押さえたり、たとえ話を考えておいたりすることは、実際の会議の場面で落ち着いて進行するために大切なことだと思いました。
 家族会議では、必ずしも自分が思い描いていたとおりに進んでいくとは限りませんので、どんなことを実現したいのか、何は譲ってもいいものなのかなどを、自分の中で整理しておくことが大切だということを学びました。

 メンバーの皆さま、どうもありがとうございました。

☆6月の例会

6月25日開催されました例会の報告です。
前半は、9月4日に開催される近畿地方会の午後のシンポジウム「家族会議」についてでした。
シンポジストの一人がメンバーさんですので、シンポジウムに向けての取り組みの経過(御自宅で開かれた家族会議を逐語録にしたもの)をシェアリングされ、みんなでそれを受け、質問や意見交換をしていきました。
その中で、もう子どもさんが大きくなられたメンバーさんで、過去何回も開かれていた方が、その時の様子を話されました。そして、今思い起こすと、いい思い出になっているばかりでなく、家族の会話や家庭の風通しのいい雰囲気に、いい影響を与えている旨を話されました。
9月のシンポジウムまで、例会での意見等を参考に、更にシンポジストの方々は、会議を開かれていかれますし、当日の発表が、大変楽しみです。
後半は、カウンセリングの実習で私がカウンセラー役をさせて頂きました。
何人もの前でさせて頂くのは、相変わらずどきどきで、フリーズ撃沈でしたが、こうした経験を積む事でしか、前進できないのだと、少しは、最初の頃よりは、勇気が持てました。
終わった後は、メンバーさんから、現場にクライアントさんが戻れるよう聞いていく、開いた質問の練習をしよう、エピソードを聞いて事例になるかわかっていない、等有り難いご指摘、アドバイスを、沢山頂きま した。
クライアントさん、メンバーさん皆様に、大変感謝しております、どうも有り難うございましたm(__)m

京都の例会は、終わった後にも、ウマウマのお楽しみがあります。
(とても素敵なお店に、いつも行きます!)
ここでのシェアリングも、また貴重な時間で、仲間がいる喜びと有り難さを、途中感じていました。

☆7月の例会

例会には、初回参加の男性1名を含む、男性5名、女性5名が出席しました。
 最初は、9月の近畿地方会で発表する家族会議の原稿を私が読み上げ、その内容に関 して話し合いました。発表内容に関して、綺麗にはまとまっているが、やや表面的な 感じがするので、もう少し私の意見を自分らしい言葉(エピソードに沿った形で)で表 現する方が、もう少しみんなに伝わりやすいのでは?、家族会議に関する、妻や子供の 意見も入れた方がいいのでは?、などの意見をいただきました。私自身も発表してみて、 内容がやや上滑りな印象がありましたので、家族会議を通して学んだことを、抽象 的?な言葉ではなく、もう少し具体的な言葉(大和言葉?)で表現することを追求してみ たいと思います。
 次に、カウンセラー養成講座に参加するカウンセラー候補生によるカウンセリング の練習を2ケース行いました。
1ケース目は、夫婦の会話、2ケース目は、親子の会話に関する内容でした。私は、2ケー ス目のクライアント役をしました。
(娘が妻に歯磨きをしてもらった後、娘の口が臭いことなどについて話が出て。)
妻:「もし、口が臭くて、みんなから嫌がられたり、何か言われたら、どうするの?」
(娘に向かって?)
私:「その時に、ショック療法になっていいんじゃない?」
娘:「・・・」
私:黙って台所で自分の食べた食器を洗っていた。
娘(6歳):寝転んだ状態で「うー!うー!」といいながら、私を呼ぶ。(-2、鬱陶しい+や や怒り)
私:娘の方に近づいて、娘を引っ張り上げる。
娘:私の腰に手を回して抱きつきながら「うー!うー!」と言って、私を洗面所の方に押 していった。(-3、怒り)
私:「何?」
娘:洗面所で、自分の歯ブラシを私の前に突き出した後、怒った表情で蛇口を指差す。(-4から-5)
私:私は蛇口を上に出して水を出した後、娘の頭をぐっと握って、
「いい加減にしろ!!そんなことしても何にもする気にならんぞ!」
娘:涙を流しながら、自分でうがいをした後、洗面所を飛び出して、トイレをした後、 寝室に入って寝てしまいました。(-3)
エピソード分析で、対処行動を、「娘を引っ張り上げた」をとりました。
仮想的目標は、「起こしてくれてありがとう。さっきは、ごんた言ってごめんね。こ れから、歯ブラシとうがいは自分でするよ。」
これが、競合的目標であることを確認した後、ライフタスクに対する思考を話し合い ました。
思考「鬱陶しいなあ。自分でできることは自分でしようよ。せめて頼むなら、赤ちゃ んじゃないんだから、ちゃんと言葉でお願いしてほしい」
私的感覚として、
プラスの目標「自分のことは自分でする。他人に頼むときには、丁寧に機嫌よく頼む」
マイナスの目標「自分でできることを他人にさせる。人に頼むときに、偉そうに、怒っ て頼む」
が出ました。 そこで、私的感覚のプラスの面を、お願い口調で娘に伝える、というのを、ロールプ レイでしてみたら、、、私が娘の立場でやってみてわかったのは、娘がやや怒ってい たのか、私が伝えたことを素直に受け取れない可能性が高いことでした。
そこで、カンファレンスで、ブレークスルークエスチョンをしてみるという提案があ りました。
1)子供の適切な側面は?
2)子供に何を学んで欲しいか?
3)そのために、この場面で私が工夫できることは何か?
です。
適切な側面は、私のことを好きで、頼んだらしてくれると信頼してくれている、言葉 では頼んでいないが、態度で私にアピールする力がある。
学んで欲しいことは、せめて言葉で頼むようにして欲しい。
(これなら、この場面でも達成可能かな、と思ったので)
工夫できることは、、、私がニコニコしながら「何ですか?」「何かお手伝いすること はありますか?」と問いかけるが、言葉で頼まれるまでは、手を差し伸べないこと、で した。
結局、言葉でお願いされないうちに、私がいうことを聞いているために、娘が「言葉 で頼まなくても」親は助けてくれる、と学んでいるのでは、という考察になりました。 私が娘役でロールプレーをしてみると、1回では変わらないが、2−3回繰り返すと、 「起こして」とか「洗面所に連れてって」とは言いそうでした。
ここでカウンセリングは終了となりました。
今回は、ロールプレーによる洞察の深まりに改めて驚きました。

後で、他のメンバーから、もし、私的感覚を使うとしたら、マイナス面を使ったら?と いう話がありました。つまり、自分でできることを他人にさせることがダメ、という のは、私にも禁止事項になっているはずで、こういう場面で、娘に対して手を出すこ と=自分でできること、になっているために、手を出してしまう可能性は?ということ でした。そのあたりは、まだ私にとってピンとはこなかったのですが、もしかしたら そうなのかもしれません。

2名のカウンセラー候補生は、以前に比べたらだいぶ落ち着いて丁寧にカウンセリング を行えるようになってきていました。2名とも、カウンセリングの手順の背景にある戦 略について、少し理解不足な点があったようですが、今回のカウンセリングのことで 学びが深かった様子なので、8月の本番ではぜひ頑張って欲しい、と思いました。

☆9月の例会

今年見事にカウンセラーの試験に合格された方が、その学びや、錬成講座での学びをシェアしてくださり、錬成講座での私的感覚を出す所を実際にやってみましょうということになり、私のエピソードを扱って頂きました。
 私には高3の娘がいます。今受験で毎日勉強しています。目が元々悪く、メガネをしています。狭い我が家で、一つの部屋をしきりをつけて、私と娘で使っています。夜寝るときにはしきりをするのですが、少しは光は漏れますが、私は全然大丈夫でよく眠れています。毎日私の方が寝るのは先です。娘は私に気を使ってか、いつも部屋は暗いままで、スタンドだけで、勉強しています。
<エピソード>
(夜に娘が部屋が暗い中で、スタンドだけつけて勉強していました。)
父「暗いやん」
娘「明るいし」
父「ふーん、そう」
(その後父は寝て、娘は勉強を続けた。)

 カウンセラーさん(TH)は短いのでどうしようか悩まれましたが、リーダさんからの助言もありエピソード分析をすることになりました。分析に入る前に、エピソードを味わうことになりました。THさんから「娘さんは、どう言う方面を目指しているのか、家を出る予定もあるのか」と言った質問があり、自立心の高い娘で、父がちょっと寂しそうということがわかりました。

 分析に入りました。対処行動は父である私の「暗いやん」、ライフタスクは(夜に娘が部屋が暗い中で、スタンドだけつけて勉強していました。)です。感情は、夜に娘が部屋が暗い中で、スタンドだけつけて勉強しているのをみたときに-2点、娘が「明るいし」と言ったときも-2点でした。

 仮想的目標を探しました。最初「パパ、明るくて寝にくくないの?、寝にくくないなら明るくするね」と娘が言ってくれたら嬉しいかなと思いました。点は+2点。5点になるにはと言われ、「気づかってくれてありがとう」を加えました。
仮想的目標の特徴を確認し、これが競合的か協力的かときかれ、私は「競合的ですね。いつも思うのだけど、自分って大人げないなと、18歳の娘が『気づかってくれてありがとう』なんて言う訳ないし、むしろ気づかわれることが嫌な年頃かもしれないし、結局『僕の言うことをきかないあなたはまちがっている』と娘を裁いているんだと思います」」と答えました。

 THさんは私の大演説にはあまり関心を寄せられず、リーダさんと相談して、私的感覚をだすのに、どう問いかけるかを相談され、「このエピソードで何が困りますか?」と言った感じできいてくださいました。
 結局、思考として
1)勉強すごくがんばってるんだ
2)ぼくのこともすごく気づかってくれている
3)ぼくのことよりも自分のことを優先してくれたらいいのにな
がでました。THさんから「この中で、一番重要なのは?」ときかれ、3)と答えました。「自分が心配しているってことをわかってほしい」と私は話ました。THさんはそこから考えて+の私的感覚として「おおよそ人は気持ちを思いはかるべきだ」と出してくれました。ですが、私は娘に「心配しているってことをわかって欲しい」とは思いますが、私自身が「人の気持ちを思いはかる」ということを大切にしているとはあまり思っていないので、それは違うとなりました。その後もTHさんは私の「気づかう」という言葉に引っかかってしまったようでした。
 リ―ダーさんが、「Sさんのエピソードにはいつも勉強する人が出てきますよね。それで、なにか起こるじゃないですか。+の私的感覚って『勉強する人は尊重されるべきだ』じゃないですか?」と言われました。
 私自身はすぐにはピンときませんでしたが、数秒して、深く納得しました。そうだ、確かにそう思っていますと。次にマイナスの私的感覚を、錬成講座で新しく学んだ、単に+をひっくり返すのではなく、別の表現であらわすということになりました。私の中では、「勉強する人は尊重されるべきで、他の人のことなど気にしなくても許される」と考えている所があり、すぐに「おおよそ人は気づかうべきだ」というのがマイナスだなと思いました。それを言った所、一応認めてもらいましたが、メンバーさんの中には、それはちょっとという方もおられ、これでいいのかどうかはわかりません。
 次に代替案にうつりました。THさんが「これと同じことがあったらどうしますか」ときかれ、私は「勉強がんばっているね、先に寝るね、おやすみ」と答えました。メンバーさんから、「明るくても大丈夫だからということを伝えた方がいいのでは」という意見があり、THさんから「娘さんにそのことは話されたことはあるのですか」ときかれ、「実は、その話は以前からしていて、娘も知っています。娘が言うには、『暗い方が集中できるそうです』」と話しました。メンバーみな大笑いでした。
 学んだことは、後日リーダさんから頂いたメールにあったことですが、もう大人になっている、娘と何か関係を持とうとして、不適切な行動で関心をひいているのだなと言うことがわかりました。
 それと、もう一つ私にとっては気づきがありました。というのも、このエピソードはほぼ毎晩起こっていて、口にするかしないかの違いで、陰性感情は毎晩ありました。その都度私は「また自分が正しいと考えて、娘を裁いている」と考えていました。そう考えることで、行動にストップはかかりますが、新しい行動は生まれませんでした。今回エピソード分析をしていただき、THさんが話を進めてくださるなかで、いつもの私の考えとは違った考え方を学べたことです。別に「自分が悪かった」と反省しなくても、行動を変えることはできるということです。
 学びのシェアの中で、メンバーさんから「クライエントが『気持ちをわかって欲しい』といったことを、あまり取り上げなかったのはなぜか」という質問があり、THさんもリーダーさんも「それはSさんの言い訳だから」といわれ、これも深く納得しました。パセージプラスの教科書、p15-L自己勇気くじきの目標を知るを家に帰って、読み返しました。
 その日の晩も同じように、娘は暗いままで、スタンドだけで勉強していました。私が寝るタイミングと娘がお風呂に入るタイミングが重なって、その日は「お休み」と言いそびれてしまいました。でも陰性感情は以前より、減った感じでした。

いつもいつも学びの多い例会です。みなさんありがとうございました。長い報告になってしまいました。

☆10月の例会

午前の例会報告です。
午前は初心者向けの内容でした。
参加者 男性2名 女性4名

各自、最近の出来事を紙に書いて、 その中からひとつのエピソードを取り上げ、 エピソード分析ではない方法で学びました。
私のエピソードを取り上げていただきました。

連休に子ども、『兄(7歳)妹(4歳)』を連れて実家に行った時のお話し。
祖父母は法事のため、車で4時間ほどのところに行っていて、 夜に帰ってきました。

ばあ 「今日は下で4人で寝よかー」
   (孫をおじいちゃん、おばあちゃんで挟んで寝たいということ)
じい 「んー」(賛成の意味)
妹  寝転んで足を私の膝にのせる
私  子どもの足を持つ
妹  「そーじゃない。」
私  「どうしてほしいの?」持ち方を変える
妹  「そうじゃないってば。」
私  「こう?」持ち方を変える
妹  「そうじゃないってばっ!!」
 これを繰り返すうちに祖父の顔が険しくなる
私  「あっ、これ見て。知ってる?おいしそう〜」
妹  「ちーがう。そうじゃないってば!!」
    激しく動いたので、近くにあったお兄ちゃんのレゴが壊れる。
兄  「うあぁー!壊れた〜。あぁぁぁー!」
じい 「うるさい!!」拳で机をたたく。お皿が飛び上がる。
   「何を言うとんのや!うるさい・・・うるさいっ!!」
    顔を真っ赤にして叫ぶ
兄  「ギャアァアァァー。」飛び上がって走って逃げる
妹  「そうじゃないってば・・」小さい声でいう
私  「・・・、向こうにいこう・・。」
妹  「・・・。」
私  「さあ、行こうね・・。」手を引っ張り起き上がらせて、連れていく。

私、子ども達、おじいちゃんのそれぞれの課題を確認する。
共同の課題にできるところを探す。
それぞれの、この場面での適切な側面を探す。

代替案を出す。
・私がおじいちゃんに、「うるさいでしょ〜?子ども連れて行こか?」と言う。
・私が子どもに「静かにしようね。うるさくするなら向こうの部屋に行こうね」と  選択肢をしめす・・だったかな?

代替案の最初の方は今までしたことがないので、ロープレでやってみる。
役割交代しておじいちゃん役をしたら、ごめんという気持ちと、 みんないなくなって寂しい気持ちになったので、 子ども達を連れて行く時に「落ち着いたら戻ってくるね」と 言ってみるロープレもしました。

今日学んだことは?で終わり。
とても難しかったです。
最初のそれぞれの課題を考えるところから・・???。
その後も一つ一つの意味は分かるけど、何をやってるのかわからない。
何がなんだかわからないうちに解決してしまいました。

他のメンバーさんは10年とか、20年とか学ばれてる方 なので、きっとお勉強になったはず・・。
私も復習したいと思います。
よくわからなかったので、肝心なところが薄い内容になってて申し訳ないです。
今日を逃すと書き込む時間がないかもしれないので、 簡単ですがどんなことをしたのか報告しておきますね。

☆11月の例会

午前中は初心者向けのグループワークをしました。参加者は3名の新しい方を含め8名(男性4名、女性4名)でした。2人組になり、困った出来事を書いてもらい@事実と意見に分ける、A相手の適切な面を探すと言うワークをしました。これをするだけで、私も含め皆さん困った出来事がすごく良いエピソードに変化し不思議な感じでした。3名とも大変熱心で真摯に取り組まれる方々です。素晴らしい時間を共有できたことに感謝いたします。

午後の部ではカウンセリングの練習を行いました。私が初めてクライアント役をさせていただきました。
妻、私、長女(15)、長男(14)が夕食の外食帰りの車中でのエピソードです。
長女「今日はお母さんとおふろはいりたいー」
妻「今日は片付けないからいいわー、〇〇さんとこは旦那さんが後片付け全部やってくれるみたいやわー」感情:イライラ —2
私「ふーん、そうなんや」思考:何が言いたいんや?自分もやってほしい?もっと手伝えってこと?私が何もしないってこと?回りくどいこと言わんといて
妻「〇〇さんの奥さんは、ハキハキしてはる人やから、あんたやりーって言ってはるみたいやけど」感情:イライラ −3
私「ふーん、ちゃんと言ってはるんや」 以後は会話なし、家に着いてからはお互い自分のことをして過ごす。

今回のエピソードで仮想的目標は「でも〇〇さんのとこと、うちは違うしなー、私も手伝ってって言えてないしな、これからはちゃんと手伝って言うようにするわ」でした。これが競合的か協力的かは意見が分かれるところだったんですけど、ロールプレイをしてお願い口調で言ってみると、絶対妻はこう言わないだろうということで競合的と評価しました。
私の私的感覚はプラスの面が「自分の気持ち(思っていること)は言葉でちゃんと伝えるべき」マイナスの面が「自分の思っていることと違うことを言う」でした。カウンセリングの最中に「人の気持ちを考えて話す」と言う私的感覚にも気付かされましたが、このエピソードの場面では自分の気持ちとして前者の方が強かったので、そちらを採用してもらいました。
代替案は「そうかー僕もちゃんと手伝ってって言ってくれたらいつでも手伝うでー」でロールプレイをしてみるとすごく協力的になったと感じました。
最後に「(あなたも)奥さんに伝えられていますか?」と言う質問にハッ!となって、そうか、自分では手伝うって言ってるつもりやったけどちゃんと伝わってなかったのか、
妻の「今日は片付けないからいいわー、〇〇さんとこは旦那さんが後片付け全部やってくれはるらしいわー」は私にとってはライフタスクですが、妻にとっては対処行動であるわけで、そうしたら妻のライフタスクは何だろう?と考えると、私が言っても手伝ってくれないと思っているのかもしれない、私がちゃんと伝えられていないから妻もちゃんと伝えられないのかと思い至りました。
カウンセラーさんに感謝!です。

リーダーさんにいくつかコメントいただきました。自分では私的感覚のマイナス側が何となくしっくりこなかったのですが、思考そのまま「回りくどく言う」で良いんではないですか?と言っていただき非常に納得できました。また、代替案に「いつ手伝ったらいいかタイミングが分からなくて」と付け加えると良いかも知れませんねと言って下さり、ああ、そうだ!それを付け加えることで私が伝えたいことがすごく良く分かるようになると感じました。そして、荒木さんのエピソードの最後に「ふーん、ちゃんと言ってはるんや」と言うセリフで私的感覚が分かりますねと言われて、何と最初のエピソードを聞いただけで既に私的感覚が分かってたなんて!ベテランカウンセラーであるリーダーさんのレベルの高さに只々驚くばかりでした。

その後、基本前提の歌を朗読し、メンバーの方の事例を出して頂き、今度はbreak through questionsを使い、みんなで考えました。お子さんとのエピソードなのですが、これもすごく協力的になったと思います。

新しくアドラー心理学を学ぼうとされる方々や、素晴らしい先輩アドレリアンの方々と学べることは本当に幸せな事だと思います、ありがとうございました、今後もよろしくお願いします。

☆12月の例会

12月は、6名(男性4名、女性2名)の参加でした。私は、クライエント役をさせていただきました。場面は、休日の朝です。子どものケンカが落ちついた後、私が家族の一人(大人;相手役)に、朝のあいさつをしに行ったところです。私は、私的感覚の学びが大きかったので、それを話題の中心にしてまとめました。

エピソード割愛

対処行動:「……(2〜3秒沈黙)。いや、そうじゃなくて、おはようなんですど」と言う
ライフタスク:「あんなうるさいのに、よー寝てられるなぁ」と言う
思考:「ん? なぜしない? まずは、あいさつでしょ〜。(話は)そっからやで」
感情:怒り、モヤモヤ(−2)
仮想的目標:「あっ。おはよう!! 大変なことがあってね、それどころじゃなかったの」と返事をする

当初の私的感覚
プラス: 仲良くする
マイナス:無視する

「仲良くする」は、抽象的で、やや使いにくい表現だそうです。人によってその感じるところはまちまちかもしれません。また、仲良くしなさいと言われても「それはそうだけど、じゃあどうやって?」となるかもしれません。
この先、クライエントがこの価値感をうまく使って暮らしていけるように、より具体的で扱いやすい表現に置きかえることを提案してくださいました。そこで、私的感覚のマイナス側を利用して、プラス側を導くことになりました。マイナス側を利用した理由は、「無視する」が、具体的な表現だったからです。
「無視する」をひっくり返して→「無視しない」→「大切にする」→「(カウンセラー役)何を大切に?」→「コミュニケーション。……よく分かりません」→「人を認めるかなぁ」→「やさしく取り扱う」→ 続く

検討後の私的感覚
プラス: 気づかいあって暮らす
マイナス:無視する

「気づかいあって暮らす」という私的感覚にたどり着いたとき、「そうか、私があいさつを大切にする、その根っこには、気づかいがあったんだ」と、すっきり満たされた気分になりました。そして、そういう私的感覚を持っているにもかかわらず、この場面で私は、相手役を十分に気づかっていないことにも気がつきました。
ところで、「気づかいあって暮らす」と「仲良くする」とでは、どういう点で、違いがあるでしょうか。印象的だったのは、随意運動か否かという点です。さらに、好意を持てない人と「仲良くする」のはちょっと難しいかもしれないけれど、「気づかう」ことはできるという点です。どちらのご意見も、納得できるものでした。もちろん、「気づかいあって暮らす」という表現のほうが、私にとって扱いやすいです。
最後に、マイナスの価値感についての補足です。「無視する」というのは、具体的な行為なのでその点ではいいのですが、このままでは使い道があまりないように思われます。ですから、これも、より使いやすい表現に置きかえておくことを勧めてくださいました。今回は、時間の都合で割愛しましたが、しばらくぶらさげて暮らしてみたいと思います。
カウンセラー役に、はじめて挑戦してくださったメンバーさん、ありがとうございました。ていねいに聞いてくださったおかげで、たくさんの気づきを得ることができました。この気づきを暮らしの中で活かしていけるようにしたいと思います。
京都アドラーのみなさま、この一年、どうもありがとうございました。向上心あふれる仲間と一緒に過ごした時間は、かけがえのないものでした。これからも、みんなといっしょに学んでいきたいと願っています。みなさま、時節柄ご自愛ください。

  *1月は総会議事を行いましたので,報告作成していません。
 報告を作成できていない月もあります。


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