☆3月の例会

【午前の部】

参加者は7名。

『勇気づけのうた』を全員で音読し、各々自身のエピソードと照らして気づいたこと、改善できることなどを発言しました。
ちなみに、その際に参照された項目は11、12、16、21、23です。
改めて『勇気づけのうた』の中にはたくさんのヒントが詰まっていて、困った時は開いてみるのも有効だと実感しました。

その後、私の事例をエピソード分析していただきましたので、こちらを詳しく報告いたします。

エピソードの背景
・2月の基礎講座に参加した時のこと。受講日の前日に、明日は帰りが遅くなるので夕食を作れない旨を夫に伝え、承諾。
・ちなみに夫にはアドラーを学んでいることは詳しく話していない。以前、初めて基礎講座で家を空ける際に話したところ、「騙されてるんじゃないのか!?」とこっぴどく暴言を吐かれたことがあり、二度と言うまいと決心した。今回もどこへ何しに行くのか聞かれたが一切伝えていない。

エピソードは、講座から帰宅した時のやりとりになります。

私;「ただいま」と言ってリビングへ入る。
夫;(扉を背にして座椅子で寝ている。)【?1 寂しい】
私;(そろっと冷蔵庫に食材を入れ、リビングを出て自室へ。)
**** 1時間後 ****
私;(夕食を食べるため再びリビングへ入り、支度をはじめる。)
夫;「お前、今からごはん食べるんか!?それなら俺は(自分の)部屋に行くわ!【?3 悲しい】
私;う〜ん

やりとりが少ないですが、対処行動を「う〜ん」、ライフタスクを「お前、今からごはん、、、」で取り、仮想的目標を考えてみました。しかし、なかなか出ません。
そこで、夫の善い面と、夫の仮想的目標からアプローチしていただきました。

・夫の善い面;自室ではなくリビングで私の帰りを待っていた、(私が騙されてないか)心配してくれた、私を気遣ってくれた、など。
・夫の仮想的目標;「一緒にごはん食べよう。今日はこんな勉強してきたから話聞いて。」と私に言ってもらうこと。

夫の善い面は、私の思いもつかないご意見をいただけて驚きました。また、夫の仮想的目標も考えてみたことで、難航していた私の仮想的目標と代替案がすんなり出てきました。
仮想的目標はいつも出にくいのですが、こういうアプローチもあるんですね。

ということで、仮想的目標は
「お帰り、待ってたで。ゆっくりごはん食べて。遅くまでご苦労さん。俺は横でビール飲んどくから、話聞かせてよ」
になリました。

そして、この目標を協力的と取り、代替案は
・心配してくれてありがとうと伝える。
・勉強してきたことを話す。
・昔のように言い返さなくなったことをどう思うか聞いてみる。
を提案していただきました。

私は以前暴言を吐かれたことに傷つき、二度と言うまいと頑なになっていました。しかし何も伝えていなかったからこそ、夫は余計に心配してジレンマを感じていたのかもしれません。そう考えると、今は心配をかけていたことが逆に申し訳なく、モンクも言わず外出させてくれる夫に感謝を感じられるようになりました。
以前から講座に行くたびにこのやりとりの繰り返しで、どうしたものかと頭を悩ませていましたが、道が開けたような気がします。少し勇気を出して、代替案を実践してみようと思います。

【午後の部】

参加者は4名で、カウンセリング演習をしました。
私は有資格者ではないですが、クライアント役を志願し、午前とは別の事例でエピソード分析をしていただきました。今回はクライアント役をした感想を報告いたします。

・アドラー心理学のカウンセリングは「どうすれば解決するか」ではなく、「クライアントに何を学んでもらうのか」に重点が置かれていました。今回、食器洗いに関する夫とのやりとりを事例提供したのですが、「どうすれば解決するか」なら「食洗機を買う」が答えになります。しかし「私はこのカウンセリングで何を学んだのか」なら「夫の行動は決して私を困らせようとしていたわけではなく、むしろ私を気遣ってくれていた」となり、自ずと「声がけを変える」という代替案が導かれました。
パセージのテキスト13ーRにも『いつでも「このことから子どもはなにを学びとっただろうか」と点検してみてください。』と書かれています。カウンセリングも子育ても目標は同じなのだと、今回受けてみて感じました。
また、話を聴くことはもちろん、開いた質問や目標の一致、エピソード分析など、パセージ、パセージプラスで学ぶ手法がカウンセリングでも使われており、改めてこれらの理解が深まるまで何度もパセージ、パセージプラスを受講する必要性を感じました。

・カウンセラー役の方が私の「体の感じ」をよく観察されていたのが印象に残りました。質問に対して納得せぬまま発言した時の私の体や表情は硬直していたらしく、反面、なんかできそうだなと思って発言した時は目の輝きが変わり前傾姿勢になっていたと、後で教えていただきました。どちらも同じように発言したつもりでしたが、考えていたこと、感じていたことは、いくら言葉で取り繕っても無意識に体や表情に出ていて、訓練を積んだ人が見ればわかるのだと身をもって経験しました。「体の感じ」も次回以降の課題として注視していきたいと思いました。

・今回、カウンセラー役の方が思い描いた展開にならないことが多々あり、その都度中断してメンバーの方に相談されているのを見て、カウンセリングは多くの知識と経験に基づく臨機応変な対応が求められるのだと感じました。また、カウンセラー役の方が学びのために臆せずメンバーを頼った勇気も素晴らしいし、助けてくれる心強い仲間がいること、そして知識や経験値を増やせる練習場があるのは本当にありがたいことだと思いました。

今回、クライアント役をやらせていただいて、私が今何を学ばなければならないのかが見えてきた気がします。貴重な機会を与えていただきありがとうございました。


☆4月の例会

4月の例会の報告です。

午前は女性5名男性4名 計9人の参加でした。
2名の方が初参加されましたので、それぞれの方が自己紹介とエピソードをお話下さりました。
そのあとで、勇気づけの歌をみんなで読み上げました。
特に(7)〜(12)をピックアップして、みんなで話し合いました。
その中でも、

(12)人は善意で行動するのだが
   私の気には入らないこともある
   それでも善意であるには違いなく
   それがわかれば感謝もできるだろう

が、多くの方が相手さんとの関係が本来の対等で平等で協力的な位置に戻れるきっかけになるように思いました。

続けて、お1人のエピソードを取り上げさせていただき、エピソード分析を行いました。
詳細は控えさせていただきますが、
相手さんの良い意図等を話し合い、代替案を出していただきましたが、
本来の対等で平等で協力的な位置に戻っていただけるように
更にご本人の良い意図や側面も新たに出していただいた上にロールプレイをしていただきましたところ
相手さんと共に喜べる素晴らしい面に気付かれました。
あらためて、現場に戻るロールプレイの強力さを体験できる会となりました。
今回、進行をさせていただきましたが、まだまだ拙いことが多く、たくさん助けていただいた結果となりましたが、事例提供者さんをはじめ、みなさんが学べる機会となり、よかったです。

午後は、参加者は6名でカウンセリング練習をしました。

私のエピソードを扱っていただいたので、報告させていただきます。
私の娘はいつも嫌な出来事があった時、突然その嫌な出来事とは関係のないところで、プンプン怒りだします。例えば、前日学校で嫌な事があった時、翌日の朝の登校前、いつもやっていた朝のお手伝いや学校の準備、宿題、家族会議で決めたお約束を「いや」「やらない」と言って拒否しだします。その「いや」が私にとって突然すぎて、娘に何が起こったのかわからず最初は戸惑い、やり取りしていくうちに段々怒りになり、最終的に娘と葛藤状態に陥りケンカして終了します。今回もそのような内容のエピソードでした。
ちなみに、「いや」と言ってやらなかった事は、前日まで特に問題なく出来ていて、気分が落ち着けば、何事もなかったかのように翌日、普通にしてくれるようになります。

今回カウンセリングの中で、娘の「いや」が発動した瞬間から出てくる私の「今日は娘と穏やかに過ごせないかも?」という陰性感情を取り扱っていただきました。
その中で、イヤイヤモードが発動した瞬間、「ああ、甘えたいんだなあ。」という事を意識してはどうですか?というカウンセラーさんの助言がすごく心にささりました。「甘えたいんだなぁ。」を頭に思い浮かべると、なんだか娘が可愛く思えてきて、ちょっと一息ついて陰性感情を起こさずに過ごせそうな感覚になりました。いつもの私は、娘の「いや」を聞いた瞬間、自分が穏やかに過ごせなくなるかも?と自分視点の気持ちに焦点がいきがちになるのですが、「甘えたいんだなぁ」は、娘には娘の事情があるんだという娘視点に頭が切り替えられるワードでした。ほんとに新しい気づきでした。
またカウンセリングの振り返りの際に、娘のイヤイヤモードについて、これは不適切な行動でもって注目を得ようとしていますよね。という意見をメンバーさんからいただきました。これも目から鱗でした。よくよく考えたらそうなんですが、私はいつもこの不適切な行動に反応、大注目をしてしまっていました。そりゃあ、娘はこれを繰り返すよね。ということで、イヤイヤモードになったら積極的にスルーをして、良いところを見つけてポジティブな言葉がけをする事が大事だという事を改めて理解しました。

毎回、例会に行く道では、書き出したエピソードを眺めて同じような内容のエピソードだわ、進歩がないなあ、とションボリしながら向かうのですが、帰る時は、いつも「なんだか前に進める気がする。」「娘とも仲良く暮らせる気がする。」と勇気をもらって、娘に対しても温かい気持ちで満たされます。

この温かい気持ちがなぜか?長続きしないのですが(トホホ、、)、また勇気をもらいに例会に参加させていただきます。
ありがとうございました。


☆5月の例会

【午前の部】

女性6名男性2名 計8人の参加でした。

初めての顔合わせの方もありましたので、自己紹介とエピソードをお話しいただきました。
勇気づけの歌をみんなで読み上げて意見交換した後、
お1人のエピソードを取り上げさせていただきました。

この方は知的障害者の通所施設にお勤めで、職場で起きた、利用者さんお二人との間に起こったできごとです。詳細は控えさせていただきますが、朝、二人の利用者さんがちょっと言い合いになり、職員である事例提供者さんが「けんかをやめてもらえますか」と言ったら、お一人の利用者さんが泣き出した、という話でした。

エピソード分析で解けるとは思えず、とりあえず事例をもう一度話してもらって書き出し、何が起こっているのかみんながわかるように、質問を重ねました。
パセージリーダーさんがご出席でしたので、助言をもらって、ロールプレイをしました。すると、二人の利用者さん役の方は、「けんかをしていた気がしない」と言うのです。

事例の登場人物みなさんの「よいところ」を出し合いました。
「これは『不適切な行動』と言うよりも、『適切な行動』(ほめてほしい)」だろう、ということで、パセージの4-R「行動の目的にはどんなものがあるか」をみんなで読みました。

事例提供者さんは、「朝施設に来た時に、自分にマイナス感情があったことに気がついた。利用者さんがこの施設が好きで、通ってきていることがうれしい、ということもわかった。今まで当たり前だと思っていた利用者さんの行動にプラスの注目をして対応することで、場面をプラスに持っていけると思う。明日からすぐ実践できることを学べた」と。

(9)相手の行動気に入らないときも
   繰り返されるなら知ってやっている
   ひとまず対処するのをやめてみて
   どうなるものか観察してみよう
(10)それと同時に良い面見つけ出し
   そこにしっかり感謝し喜ぼう
   プラスの面に正の注目が
   できればマイナス消えていくだろう
この二つを同時にやることが必要なんですね、とも言われました。

前にも同様の事例を出してくださっていて、分析するに至らなかったので、今回、みんなで解決策を話し合えてよかったです。また、続きの話を聞かせていただきたいと思います。

【午後の部】

参加者は5名。カウンセリング演習を行い、私の事例を扱っていただきました。

エピソードは夫とのやりとりになります。
私たち夫婦は以前、夫の仕事の都合で8年ぐらいある地方に住んでいたことがあります。しかし夫の転職を機に、10年前に関西へ戻ってきました。
夫はその地方での生活が肌に合っていたのか、事あるごとに移住と再転職を口にします。そこに住む前にも夫の転職が原因で引越しを繰り返してきた過去があり、その発言を聞くたびに私はうんざりしていました。
2年前、二人とも年齢を重ねたこともあって、永住目的で家を購入しました。
夫も承諾した上での持ち家なのだから、これで夫の転職癖がおさまるに違いないと思っていたのですが、、、甘かった!!
未だにしつこく口にする夫に、相当モヤモヤしていました。

今回提供したエピソードは、市長選挙の候補者について話していた時の夫の発言「どうせここにはずっと住まへんし、どうでもええねん。俺はまだ(その地方への転職先を)探してるで」を発端にした葛藤状態のやりとりでした。
エピソードを話した時点では、私が具体的に何にモヤモヤしてどうしたいのかが曖昧だったので、カウンセラー役さんはまずそこから深掘りしてくださいました。
夫と私の家族関係や考え方、引越歴などを時間をかけて聴取し、どんな夫婦になりたいか、今までどんな風に暮らしこれからどんな風に生きていきたいか、などを開いた質問で丁寧に聞いてくださいました。気がつけば夫婦の歴史と将来について真剣に考えさせられ、価値観の違う二人が協力的に生きていくために私はどうすればいいのかを導いていただきました。

当初、エピソード分析での仮想的目標は「持ち家をしたことで夫が転職を諦めること」という競合的なものだったのですが、カウンセラー役さんとのやりとりの中でじっくり自分を見つめ直してみたら、必ずしもそうではないことに気がつきました。
夫が転職したい気持ち、移住したい気持ちはわからないわけではない、むしろ夫が本気でそう考え相談してくれたら、話し合いの成り行きによっては夫の希望通りにするのも厭わないとさえ思ったのです。思いがけない自分の本心に気づかされ、溜飲が下がる思いでした。

結局モヤモヤの正体は、夫の軽はずみな発言だったと思います。
大金を注ぎ購入した家を手放してでも転職・移住をしたいと言うのは、相当の覚悟があるからこそ。ましてや売却や転居の煩わしい作業はほぼ私の負担なのに、配慮もなく簡単に口に出してしまう夫にモヤモヤしていたのです。

今回、開いた質問で丁寧に聞き取りしてくださったおかげで、カウンセリング演習とはいえ、本気で自分と向き合え、私の中にある協力的な部分を引き出していただきました。
その一連の流れをクライアント役として体験でき、とても勉強になりました。ありがとうございました。


☆6月の例会

【午前の部】

「久しぶりに『共同体感覚の歌』か『基本前提の歌』を歌いませんかという提案から、「基本前提の歌」を歌うことになりみんなで唱和しました。「基本前提の歌」の唱和は例会としても久しぶりだったかもしれませんが、個人的にも久しぶりでしたので、以前に比べて滑らかに読むことができなくなっていました。身につくのは時間がかかり、錆びついていくのはあっという間だと改めて思いました。また滑らかに読めることができるようしばらく続けて読んでいきたいと思います。
その後、みなさんそれぞれエピソードや、「基本前提の歌」と絡めながら考えたことをお話しし合いました。陰性感情が起こる仕組みも、人間関係の悪循環の仕組みも、そこからどうやって抜け出して、どうやって協力的な暮らしに向かっていくかも、すべて歌に書いてあります。歌を知ってはいても、知っていることとできることは全く違うので、自助グループの力を借りて継続して実践する大切さを意見交換しながら改めて感じました。
意見交換した後は私のエピソードを取り上げていただきました。

年老いた母とのやり取りです。私が自分で作ることになっていたお弁当のおにぎり作りを母がやろうとしてくれているところ、私が断わったら、母がしょんぼりしてしまったという事例です。人のために何か役に立ちたい母は、自分のことより人のためにすることを優先するので、時々無理がたたって身体と調子が悪くなってしまい、それに伴ってなお一層しょんぼりするので、無理してまで余計なことはしないで欲しいなと罰当たりなことを考えていたという話です。
出来事を理解するために、皆さんが質問してくださり、母の適切なところもたくさん考えてくださったりしました。私ももちろん母の適切なところを考えて言います。母の適切なところ知ってます、知ってますけどね、それが程度を越える気がして困ってるんです、と変容できない(したくない?!)私がいました。そんな中、確か「おにぎりを作られると何が困るのですか?」と質問されたように思います。何が困るかというと、母の身体に負担がかかってその後寝込んで、母がしょんぼりすることが多く、それを避けたいのです。ですが、事例の中で、おにぎり作らなくて身体に負担がかからない状況になったのにも関わらず母はしょんぼりしています。母は段々老いていく自分の身体に不安を抱えながらそれでも家族のために自分のできることをしようとしています。そこを理解しないで、母には自分の身体を大事にしてくれさえすればいいのにと見当違いに私が責めている状況になっていることをやっと理解できました。そして、母の怒りも不安も後悔も理解しながら一緒に暮らしていきたいと思えました。母を信頼し、一緒に暮らす、そんな大切なことを改めて学ばせていただきました。そしていつの日か、幼い私の怒りも不安も後悔も丸ごと受け止めて育ててくれた母に少しでも恩返しできるようになりたいです。今回もありがとうございました。

そのため人の究極目標は
社会の中に居場所を見つけ出し
所属をとげて人から愛されて
仲間と一緒に暮らしていけること(「基本前提の歌」9)

所属のために選ぶ方法は
人ごとにみな違うものであり
それが個人の個性を作り出す
いかなる個性も所属に向いている(「基本前提の歌」10)

自力かあるいは人に助けられ
隠れた目標意識にのぼらせて
競合的とわかれば工夫して
協力的な案を試みる(「基本前提の歌」14)

【午後の部】

午後からはカウンセリングの練習がありました。
私がクライアント役でした。

内容は義理の母とのやりとりのエピソードで、目の前の義母ととやり取りをしているときに起こった陰性感情なのですが、義母ではなく他の方へ向けた陰性感情でした。
陰性感情は誰かに向けて使うものですが、目の前の人に向けた感情ではない件を分析いただいたのは初めてで、良い体験をいたしました。



*報告を作成できていない月があります。

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