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☆1月の例会

【午前の部】

 参加者は6名でした。
 この日は総会がありました。
 そのあと、ひとりひとりがエピソードを発表しました。
 つぎに、『基本前提の歌』をみんなで声に出して読み上げました。そして、みんなで意見を出し合いました。数名から自分のエピソードと照らし合わせて思ったことが挙げられました。それにより、「個人の主体性」、「目的論」などのアドラーの基本的な考えの確認ができました。他にも、読んでいて難しかったところが挙げられ、それに対する意見の交換がありました。今回は、「全体論」について述べられている箇所で、特に(20)について取り上げられました。

 そのやり方を社会や精神に
 当てはめようとさまざま試みて
 結果的にはかえって文明を
 危険にさらす愚行を繰り返す(『基本前提の歌』(20)

 これについては、具体的に世界情勢や医療の例が挙げられ、要素論を社会に当てはめることでおこる不具合について、数名から説明がなされました。改めてアドラー心理学が現代の問題を考えるヒントになるという感想も出ました。

 それから、エピソードが取り上げられました。今回は、私の職場でのエピソードを取り上げていただきました。詳細は控えますが、利用者さんが仕事中に怒って物を投げられたときに、私が対応したという事例です。
この日は、総会があったので、この時点で残り時間が少ないということもあり、エピソード分析ではなく、ブレイクスルークエスチョンズが選ばれました。
まずは、今回の事例について、グループからさまざまな質問がなされて検討が行われました。
 ところで、今年度に入ってから、京都アドラーグループにて、私の職場での事例を多く取り上げていただき、そこで学んだことを職場で実践してきました。まずはその経過を報告させていただきました。
 昨年11月の例会の午前の部にて、利用者さん同士のけんかの事例を取り上げていただきました。その数日後に、「けんかをした時の対応方法」について、職場のチームと共有しました。「けんか」をしているときは、「相手が悪く、自分が正しい」と思っている。だから、その時には話を聞かなくてもよい。とはいえ、陰性感情や暴力を使ってもらうと困るので、その時はお互いを引き離して、落ち着いてもらう。そして、「けんかをせずに協力して仕事ができるか」を質問して、できると応えたらそのようにしてもらう。このような内容を実践してきました。
 以上の報告をしてから、さらに質問があって検討がなされました。本事例の利用者さんの行動にはどのような目的があったのかを知るために、パセージの4-Rの行動の目的の5つの段階を読み上げました。

 1.適切な行動で注目関心を引く
 2.不適切な行動で注目関心を引く
 3.権力争い
 4.復讐
 5.無能力を誇示する (『パセージ』4-R)

 本事例では、2の「不適切な行動で注目関心を行く」が当てはまると思われました。次に、パセージの2-Lを読み上げることになりました。「どんな場合に子どもは不適切な行動をとるのか」という箇所で、数字のついた太字のところだけを読み上げました。

 1.その行動が不適切であることを知らないとき
 2.その行動が不適切であることは知っているが、どうすれば適切な行動ができるのか知らないとき
 3.その行動が不適切であることは知っており、適切な行動も知っているが、適切な行動をしても望む結果が得られないと信じているとき
 4.不適切な行動で注目や関心を得ているとき (『パセージ』2-L)

 一度読み上げただけでは、利用者さんの行動が、どれに当てはまるか、私にはわかりませんでした。グループから質問があって、検討がなされていくうちに、「4」か「2」であろうと思われてきました。「4」である理由は、私が利用者さんの不適切な行動に対して、「長いあいだそばにいる」という対応をしたからです。これによって、利用者さんは注目や関心を得ることに成功していたのだ、ということに気づきました。また、「2」でもあるな、と思いました。利用者さんが不適切な行動をしたときに、それに代わる適切な方法を本人は知っていないと思ったからです。
 つぎに、グループから「相手のよいところと、私のよいところ」が出されました。そして、この事例の時に「相手に学んでもらいたいこと」が何であったかという質問がありました。それは「困ったことがあったら怒らずに職員に伝えることができるようになること」であることが思い出されました。これは、職場ですでにその人と一緒に定めていた本人の課題でもありました。
 そこから、今後、同じような事例があった場合に、どのようにするか、具体的な方法を考えることができました。その方法とは、「興奮して職員に伝えることに代わる方法を、本人と話し合って決めること」です。
 あらためて、『勇気づけの歌』の(20)の歌が大切であると思いましたので、あげさせていただきます。

 相手に学んでもらいたいことが
 なんであるのかしっかり考えて
 どうすればそれを学んでもらえるか
 場合に応じて方法工夫する (『勇気づけの歌』(20)

 さて、今回事例を挙げさせてもらって、不適切な行動に対処するときに、けんかの対処方法のひとつである「話を聞かない」ということに私が固執していて、その他の対処方法について知らなかったことに気づきました。不適切な行動にどう対処するかは、パセージの4-Lにありますので、例会では読み上げられませんでしたが、学習のために書かせていただきます。

 1.不適切な行動の文脈をよく観察しよう
 2.不適切な行動に注目を与えない
 3.適切な行動をしたときに、正の注目を与える
 4.同じ状況での、より適切な行動の仕方を一緒に考える (『パセージ』4-L)

 この報告を書いている現在、例会から1週間経ちました。上記の、興奮して怒ることに代わるやり方を本人と話し合って決める、という実践をすでにさせていただきました。今後も、不適切な行動がみられた場合、どのように対処すればよいのかを、今回学んだことに立ち返って考え、実践していきたいと思います。

【午後の部】

 参加者は5名。午前中からの(総会の)継続審議の後、カウンセリング演習を行い、私が初めてカウンセラー役をやらせていただきました。とは言え、専門の講座をまだ受講していないため、カウンセリングのセッティングでエピソード分析だけ行いました。今回はその感想をレポートいたします。

 まず、エピソード分析の手順や内容を理解するために、何度も練習する必要があることを実感しました。
 基礎講座応用編やパセージプラスで学んだ後、エピソード分析を受けることはあっても、進行するのは一度、昨年受講した特殊講義と演習のグループワークで初めてやったぐらいです。手順も頭に入っておらず、進行を書いたメモを辿るだけで、どう進めていけばいいのかわかりません。もちろん仮想的目標や私的感覚も一人では導き出せず、クライアント役の方や諸先輩方に助けてもらうという始末です。
 今回最も練習の必要性を実感したのは、私的感覚を出していただいた時でした。仮想的目標の中に私的感覚が反映されていないセリフがあり、私は少し違和感を覚えました。ただそれをクライアント役の方にどう質問していいのか、またこの違和感は正しいのかスルーしてもいいものなのか判断がつきません。そこで、中断して諸先輩方に尋ねてみると、下記の通り助言してくださいました。

@仲間として(クライアント役の方と)ずっと接しているが、この方はその私的感覚をお持ちではないように思う。
 → その指摘を受けて、クライアント役の方は「実はその私的感覚(考え方)は奥様のもので、昔から頻繁に言われて自分もそう考えるようになった」と仰いました。
A2種類のセリフに共通する私的感覚があると思われるので、それを質問で導いてはどうか?
 →結局私では思いつかず、先輩が考えてくださった質問をしたところ、クライアント役の方も気づきを得られ、2種類のセリフに共通する私的感覚を改めて出してくださいました。

 以上のことから、つくづく場数と経験が必要だと実感しました。
 併せて、他の方が実習されている時に「自分ならどうするかな?」と考えてみるのも練習になると教えていただいたので、これもやってみようと思います。

 次に代替案を出す前に、相手役さんとクライアント役さんの適切な側面や意図を挙げたのですが、クライアント役の方がたくさん出されていて素晴らしいと思いました。日頃から相手の良い面や意図を考える実践をしていらっしゃるからこそなのだと実感しました。
 今回たまたまクライアント役の方がご自身で代替案を出してくださり、私が導くことはなかったのですが、適切な側面を出すことや、それを使って代替案を考えることは必要不可欠だと思うので、これもしっかり身につけようと思いました。

 最後に、諸先輩方からのご指摘で一番印象に残っているのが
 「自分の意見は自分のライフスタイルに基づいていると知る」
ということです。クライアントの意見はカウンセリングの場においては絶対。私の意見は私の私的感覚で判断しているから相手を裁くことになるため言わないのが原則だと教えていただきました。
 確かにパセージのテキストにも
 「勇気づけの第一歩は、子どもの話に耳を傾け、子どもの考えや感情や意思を理解しようとすること」(9ーL)
 「子どもがそのできごとの本質を正しく理解できるように援助し、それをもとにして、そのできごとに正しく対応できるように援助する」(9ーR)
と書かれています。ついつい自分の意見を言いがちですが、日常生活においてもこのことを常に意識しようと思いました。

 私は京都アドラーグループに参加して3年目になりますが、今回「カウンセラー役をやってみないか?」と言われて最初は戸惑いました。カウンセリングの専門講座を受けていないということもあり、私にはまだ無理と甘えていたところがあったと思います。
 今回やらせていただいて、自分の甘さに気づいたと同時に、毎月カウンセリングを実習できる場があること、そしてその学びを応援してくださる諸先輩方がいらっしゃることは素直にありがたいと思いました。
 カウンセリングの実習をするためにお忙しい中出席されている方々ばかりなのに、今回私のために貴重な時間を使っていただいたことを本当に感謝したいです。
 また、私の実習中、決して口出しせず、終始温かい表情で見守ってくださったこと、そしてできなかったことではなく、できたことやチャレンジしたことに注目し助言してくださったことにとても勇気づけられました。
 貴重な学びと気づきの機会を得ることができて感謝しております。ありがとうございました。



☆2月の例会

【午前の部】

参加者は7名。
初めての顔合わせの方もありましたので、自己紹介と、エピソードをお話しいただきました。
「勇気づけの歌」をみんなで読み上げて意見交換した後、お1人のエピソードを取り上げさせていただくことにしました。

80歳間近のお母さんと暮らしておられる方で、本日、例会に出かけてこられる前のできごとです。
お母さんが叔母さん(お母さんの妹さん)について、言うことを聞かない、と言い続け、(事例提供者さんが)それをたしなめて、言い合いになった、という事例です。
ご了解を得て、エピソード分析をさせていただきました。
結構協力的な仮想的目標が出たのですが、繰り返されている会話だとのことでしたので、「競合的」と取って、私的感覚をみつけることにしました。
プラスの側:相手に任せる、選ばせる
マイナスの側:他人を変えようとする。型にはめて考える(無理強いする)
「お母さんは、日中おひとりで、とても整った暮らしをなさっているんですね。そんなお母さんは、(事例提供者さんが)出かける前、どんなお気持ちなんでしょう。」というメンバーさんの発言もあり、お母さんが、注目関心を引こうとしているのではないか、ということで、パセージテキストを参照しました。
事例提供者さんは、お母さんのよいところについて沢山お話をしてくださり、「この場面で、そういうお母さんにどんな風に言えたと思いますか」とお尋ねすると、素敵な代替案が出てきました。
何を学ばれましたか?とお尋ねすると、「出かける前で時間がなかったとは言え、母の話を聞いてなかったのは私の方なんですね。耳で聞いてたけど心で聞いてなかった。愚痴という捉え方をしていました。叔母のことを考えて出てきた本音で、そこをピックアップしてたら、(自分の台詞も)変わっていたかもしれません。私が人を変えようとしてはいけませんね」とおっしゃいました。

事例を出してくださったことに感謝します。ありがとうございました。

【午後の部】

参加者は5名でした。
午後からはグループによってエピソード分析を行うこととなりました。私のエピソードを取り上げていただきました。

エピソードは、知的障害者施設の職員である私と利用者さんとのやりとりです。この方とのエピソードは、12月、1月と継続して取り上げていただいています。今回は、この方に「空の段ボール箱で頭をはたかれた」という内容です。

さて、エピソードをホワイトボードに書いてもらった時点で、早速みなさんから「会話になっていない」という指摘を受けました。このことは、エピソードを発表するために紙に書いているときに、私自身がすでに感じていたものでした。相手の言葉をきちんと受けずに、相手のことを切り離そうとしている態度が、会話文に現れていました。

次に、感情の点数をつけていきました。もっとも陰性感情が高まったところについては、エピソードの時点で自覚できていました。ところが、陰性感情が高まる以前のところで、小さくずっと陰性感情があったのでした。そのことに気づくことができました。その感情の名前が「うんざり」であることは、大きな気づきでした。

仮想的目標を出していくときに、5点満点に達していないとき、メンバーの方から、「いつもしつこくてごめんなさい」と言われたらどうか、と尋ねられ、思わず笑ってしまいました。ここから、相手に対して「うんざり」しており、相手と自分を引き離そうとしていたのだなあ、と気づくことができました。

今回は、仮想的目標を「競合的」と取って、私的感覚を見つけることになりました。
プラスの側:みんなのことを考える
マイナス側:自分のことばかり考える
おそらく私的感覚を出したのは、今回がはじめてのことだったのではないかと思います。それゆえ、なかなか私的感覚を出すことができませんでした。今後、分析を繰り返していくことで、自分の私的感覚を自覚でき、自分の感情や行動を理解できるということでした。

そして、相手の「良いところ」を皆さんに出してもらいました。素直で意思表示をしっかりとしているところなど、たくさん出していただきました。自分が「うんざり」して陰性感情を持っているときには、相手の良いところをついつい忘れてしまいます。『勇気づけの歌』 の(10)にあるとおり、これからは相手の良い面を見つけ出してそこにしっかりと感謝し喜びたいと思います。

それと同時に良い面見つけ出し
そこにしっかり感謝し喜ぼう
プラスの面に正の注目が
できればマイナス消えていくだろう(10)『勇気づけの歌』

最後に、代替案を出し、ロールプレイをしました。ロールプレイをすると、エピソードの時の私の対応が、「そっけない」ことが一目瞭然となりました。相手役をしてくださったメンバーの方によると、「頭をはたかれて当然」な態度であったとのことです。私自身も相手役を演じてみたら、自分の「そっけなさ」に驚きました。それに対して、代替案を演じるときは、そっけないということはありませんでした。演じながら、「相手の方へ体を向けることができている」と感じました。『勇気づけの歌』では(17)に相当すると思うので引用します。

相手の話をじっくり聴くために
体と心を相手に向けなおし
興味をもって耳を傾けて
さえぎることなく最後まで聞こう (17)

先述のとおり、今回はじめて「私的感覚」を見つけました。今後はしばらく、自分の私的感覚はなんだろうか、ということをテーマにしながら生活をしていこうと思います。

今月もたくさんのことを学ばせていただきました。京都アドラーグループの皆さんのおかげで一歩ずつ成長できていることを実感できています。ありがとうございました。


☆3月の例会

3月の例会は、午前のみとなりました。

女性3名 男性2名の参加者でした。
初対面の方がおられましたので、「エピソード」のシェアに加えて自己紹介をしました。
そのあと、「勇気づけの歌」を読みました。
読んだ後に、自身のエピソードと照らし合わせて気付いたことをシェアしました。

その後私の事例を取り上げていただき、皆さんでエピソード分析をしていただきました。

学生で遠方に住んでいる娘が春休みに就職活動で帰省しています。離れているのでそれぞれの生活様式が異なってきていて、特に娘の食事の事が気になっていました。以前から食べたいときに食べたいものを食べる事が多かったのですが、離れて生活することでより好き勝手にするように私には見受けられていました。

そんな娘との私の仕事が休みの夕方のエピソードです。
娘は就職活動のために別室でオンラインで企業説明会を14時から18時まで4時間ほど受けていました。私は夕飯はお好み焼きにしようと思っていましたので、16時頃に休憩で出てきた娘に確認したところ、とても喜んで「食べる!」と言ってくれていました。
 企業説明会が終わった18時のことです。別室から娘が少し疲れた様子で入ってきました。
私は、お好み焼きの生地をつくり終え、台所で1枚目の片面を焼いているところでした。

娘:(食堂で冷蔵庫を開け、冷ご飯を取り出してレンジの扉を開けて温めようとしながら)
  おなかすいた!ごはん食べる!(-1)驚き 怒り
私:お好み焼きあるで。
娘:もう食べたいし。(-1.5)怒り
私:もうすぐ焼けるんやけど。
娘:おなかお腹すいてるし。(-1)呆れ
私:…まぁ、こっちから食べてくれる?
娘:はーい…。
  (焼き上がりまで、待つ)(-0.5)呆れ

私の対処行動は「お好み焼きあるで」で進めました。
ライフタスクは、娘のセリフの「おなかすいた!ご飯食べる」です。

仮想的目標を考えました。
娘に「あぁ、そやな。お好み焼き作ってくれる言うてたもんな。
   好き勝手言うてたわ。
   青のりとか用意するわ、何か手伝う事ある?
   久しぶりやし楽しみやわ。
   一緒に食べよう!」
…と、言ってもらう事でした。

「競合的な仮想的目標」ととり、私的感覚を出すことになりました。

この時、私が考えていたことは、
「は?何言うてんのコイツ??」
「さっき(お好み焼きって)いうてたよなぁ」
「大丈夫か?(覚えてないの?そんなにお腹空いてるの?)」
でした。

メンバーに「何が具合が悪いの?」と聞かれ、少し考えて、「約束したお好み焼きが出来上がる直前やのにそれを食べずに白ご飯をたべるってどうなんよ、と思います。」と返事をしたら、
また、「なるほど、それはどんなふうに具合が悪いの?」
と改めて聞かれ、「善意を台無しにする」という私的感覚のマイナス、反対側のプラスは「善意を活かす」が出ました。
(仮想的目標や私的感覚を出す際のはじめに、似寄りの言葉を提案いただいたのですが、その時はあまりピンと来ていませんでしたが、結局似たようなものとなりました)

ここで、
「善意と言えば『勇気づけの歌』にも善意が出てきますよね。娘さんの善意って何でしょう?」
と聞かれ、娘の「善意」について少し考える機会をいただきました。
娘は、偏食気味で決まった時間に食事をしないことが多いです。目の前の空腹をお菓子で満たすこともよくあります。私はそのことが気になっていましたし、娘にしっかりとしたご飯を食べてほしいという願いを持っていました。その中「お菓子に手を出さずに白飯を食べようとしてくれていたことや、未だお好み焼きが出来上がっていないことを私に不満を言わすに、自身の食欲を緩和させるために対処してくれていたことなどを出していただきました。
また娘の他のストレングスについてもお話合いを下さり、
「就職活動にしっかり取り組んでいる」
「主張ができる」
「結局親の言う事を聞いてくれている」
など、出していただき
娘と私の関係性の良さや、私のストレングスも出していただき、たくさんの勇気をいただきました。
私の「娘が今すぐに食べるべきものは、当然今私が焼いているお好み焼きでしょう」という執着は既に緩くなっていました。

対処行動の代替案について話し合いました。
メンバーから「お好み焼きを食べてほしい」という私の願いも尊重頂き、「冷蔵庫の中の白ご飯でも、今焼いているお好み焼きでも、どちらを食べてもらってもいいんだけれど、お好み焼きを食べてもらったらうれしいなぁ」という思いを込め、またメンバーの方が焼きあがる具体的な時間を伝えたら?」と提案してくれたので、
「あと3分で待ってくれたら美味しいお好み焼きが焼けるよ。お好み焼き食べてほしいけどどうする?」
と言ってみることにしました。

ロールプレイをして、娘の立場にもなり、4時間も企業説明会をオンラインで受け、出てきたらまだご飯が出来ていない残念さも私が感じる事が出来ました。 娘と対等で平等な関係を感じることができました。

エピソード分析で行為の1つ1つを細やかに分析することや、ロールプレイまで検証する一通りの流れに関わってくださった方から、アドラー心理学のあたたかさを感じたことをお伝えいただき、とてもうれしく思いました。

数日後、娘とこの話になりました。
すると以前の話ですが、私が職場から夜遅く帰って来た際に娘が晩御飯を作ってくれている途中に、まだできていないからと言って冷蔵庫の別のものを食べ出していたことが何度かあったことを娘から指摘されました。びっくりして確かにそんなことをしていたことを思い出し、「結局私も一緒だ…その時娘は何も言わずだったなぁ…」と少し恥ずかしくなりました。

人の善意は必ずあると思い、日々を過ごしたいと思います。


☆4月の例会

【午前の部】

参加者は7名でした。

一人ひとりがエピソードを発表しました。初めて参加される方もいらっしゃったので、自己紹介をしていきました。自己紹介では、いつどのようにして、アドラー心理学に出会い、いかにしてこの京都アドラーグループにたどり着いたのか、が話されました。野田俊作先生の『アドラー心理学を語る(『トーキングセミナー』)』が出会いだった、という話は毎回出てきます。私もまた読み返したいという感想を持ちました。

初参加の方は、自らの職業において、アドラー心理学を活かしたいと話されました。その話が興味深かったので、メンバーから質問が出され、それに応えていくことで対話が生まれていきました。話題は、職場における上下関係と、アドラーの言う協力的な関係は、矛盾しないのか、というものになりました。メンバーからは、職場の上司や部下の関係は、職場全体が一致して目標に向かう場合に必要なので、それはむしろ協力的な関係だと言えるだろう、という意見も出ました。

次いで、『勇気づけの歌』をみんなで読み上げました。そのあと、意見交換をしました。こちらでは主に「賞罰」の話になりました。取り上げられたのは以下の偈です。

競合的とは相手を裁きつつ
良いと思えば褒美を与えるし
悪いと思えば罰を与えるが
これには多くの副作用がある(4)

初参加の方から、職場において、よい成績の人に賞を与える、ということが常態となっていることについて疑問が出されました。こちらも様々な意見が出され、話し合いになりました。賞をもらうこと自体に価値がついて、同僚同士で争うことになれば、協力できなくなるだろう、という意見が出ました。けれども、例えば、良い成績の人がいるということが、同僚に知れ渡るということは、仕事をするうえで良い事であろう、という話もありました。とはいえ、まずはその仕事の本来の目的を確認するのが大切ではないだろうか、といったところに、最終的には落ち着きました。

次に、グループでエピソード分析を行いました。今回は、私のエピソードを取り上げていただきました。
エピソードは、職場における利用者さんとのやりとりでした。この方とのやりとりは、去年の末から、今年にかけて、継続して取り上げていただいています。

まずは、もう一度エピソードを読み上げ、ホワイトボードに書き上げてもらいました。そして、相手の言動に対する感情の点数と、感情の名前をつけました。感情の名前をつけるときに、「面倒だ、しつこいな」と私が言うと、それは「思考」ではないかとメンバーの方から指摘をうけました。そこで、基本に立ち返り、「不安、怒り、後悔」から選びました。そうすると、エピソードの前半は「不安」であり、中盤から「怒り」であることが分かりました。そうすることで、前半と中盤とでは、違う相手に感情を使っていることがわかりました。

今回は、中盤で「怒り」を感じたことについて解決したいと思いました。なので、そちらの箇所から、対処行動とライフタスクを選びました。

次に、仮想的目標を出していきました。自分で出すと、感情の点数がプラス2までにしか至りませんでした。メンバーの方に提案をしてもらうことで、プラス5になるような、仮想的目標を出すことができました。

つづいて、仮想的目標を競合的ととり、私的感覚を出していきました。ライフタスクに対する思考を話していきました。前回、エピソード分析をしてもらったときに、私的感覚を出すときは、なかなかうまく私的感覚を出すことができませんでした。今回は、前回に比べて、スムーズに出すことができました。

プラスの側:みんなのために(黙って)行動する
マイナス側:自分勝手に言う

そして、相手のよいところをみなさんに出していただきました。そんななか、私から相手のよいところを言うことができました。その利用者さんは、肩が痛いにも関わらず、そのエピソードの時点の前まで、一生懸命に仕事をしておられたのです。

メンバーの方からは、そのような観察できる視点を、常にもつことができれば、利用者さんとの関りに活かすことができるだろう、という指摘をいただきました。現時点にとどまって相手と関わるのではなく、相手が過去からどのようにすごしてきたか、という少し長い時間を眺めると、関りが変化する、ということを教えていただきました。
また、他のメンバーの方からは、相手のよいところを、気づいたときに伝えるのはどうか、という提案もいただきました。利用者さんのよいところを、「あたり前」と思わずに、少しでも適切なところがあれば、正の注目をしていこうと思いました。

それから、その適切なことに注目を与えるということは、今回取り上げた利用者さんに限られたことではなく、他の利用者さん全員に向けて行われるのがよいだろう、という指摘も受けました。そのときに、私の心の中で、自分の職場の利用者さんが一生懸命に働く姿が思い出されました。私はそのときパソコンで作業をしているのですが、そのパソコン作業を一瞬止めて、立ち上がり、利用者さん一人ひとりに声をかけて回る。そのようなこともできるなあ、と日頃からできることにも気づかせていただきました。

今回も、職場でのエピソードを取り上げていただきました。京都アドラーグループのみなさんに、継続して分析していただくことで、自分が変わることができていることを、実感しています。それによって、利用者さんとの関係が、よいものになっていることを、感じています。これからも、今回に気づかせていただいたことを、実際に行動にうつして、どのように変化するのか、見届けるようにしていきたいと思います。ありがとうございました。

【午後の部】

参加者8名でカウンセリング演習を行いました。2例のエピソードのうち、クライアント役で私の事例を分析していただいた内容をレポートいたします。

自宅マンションのリビングはキッチンが近いため、シンクで水を流すとTVの音が聞こえなくなります。ただ、このリビングはたまに隣家の生活音や声が(かすかに)聞こえる時があり、私は以前から音量を上げることに抵抗がありました。
ある日の夕食後に、夫の見たい番組が終わったので、その隙に洗い物をしてしまおうと、夕食の後片付けで食器を洗っていました。
ところが、夫はだらだらチャンネルを変える内にある映画で止まり、それを見始めたのです。私は内心「音量を上げられたら嫌だな」と思いながら後片付けを急いでいたら、案の定上げられてしまいました。

夫;(TVを見ていて、音量を上げた) イライラ(−2)
私;(食器を洗いながら「あー、上げられた」と思い、モヤモヤしながら急いで後片付けを終わらせた。洗い物が終わっても夫は一向に音量を下げないので、夫のそばに立って)「音量上げすぎやわー」と言った。
夫;「だって、うるさいんやもん」と返答。 怒(−3)
私;「なら(私が)部屋に行ったるわ!」と吐き捨て、自室へ戻った。

私のセリフ「音量上げすぎやわー」を対処行動、夫の行動「TVの音量を上げた」をライフタスクとして出した仮想的目標は次の通りです。
『「すまんすまん、ちょっと大きすぎたな。隣の迷惑になるよな。ここ壁薄いもんな。そこまで見たい映画やないんやし、少しの間やねんから、食器洗いの時ぐらい我慢したらええんやな。」と言ってすぐに音量を下げる。』

これを競合的な目標として、ライフタスク時の思考を出し、私的感覚を考えました。
カウンセラー役の方から「TVの音量を上げたことはどういう風に具合が悪いのか?」と質問され、「音量を上げたことで隣家の迷惑になっているかもしれない。周りへの配慮(気遣い)がない自分勝手な行動だと思う。」と答えました。ここから、プラスが「周りに配慮して行動する」、マイナスが「自分勝手に行動する」という私的感覚が導かれました。

残念ながら時間切れで具体的な代替案を出すに至らなかったのですが、シェアリングの中で、代替案を導く方向性についてカウンセラー役の方は、「エピソードでの私の行動は、マイナスの私的感覚『自分勝手に行動する』そのものと考えており、まず(私の)自覚を促す質問をしてから協力的な代替案を導くつもりだった。」と説明されました。私の行動が自分勝手???という思ってもないお考えに驚いて、どんな質問を想定していたのか聞いてみました。

・夫の見たい番組が終わったと判断したのは誰?夫に確認したのか? (→私の独断)
・洗い物のタイミングや、夫がその映画を見たいのかを夫に聞いたのか?(→私の独断)
・そもそも音量や隣家への配慮について話し合ったことはあるか? (→ない)
・周りへの配慮以上に夫への配慮は? (→意識してない)

確かに仰る通り、夫に確認や相談をせず独断で「自分勝手に行動」していたのは私の方でした。そして、一番大事な「夫への配慮」が忘れ去られていました。
夫にしてみたら、今まで音量や騒音についての話し合いもない上、音量を上げても黙って洗い物を続けていたのに、後片付けが終わるといきなり「音量上げすぎやわー」と叱られて、さぞ戸惑ったことでしょう。まさに夫に対する配慮がないと言わざるを得ず、協力的とは言えません。メンバーさんからの指摘も受けて、なるほどと納得しました。

実はこの事例は自分でエピソード分析をしていたのですが、そこは全く気づかないまま代替案まで導いていました。
ちなみに私が自分で出した代替案は「何も言わず黙っておく」です。夫の適切な面を考えた時、真っ先に浮かんだのが「夫は自宅でくつろいでいる」ということでした。そこから「夫にとって自宅はくつろげる場であるため、邪魔せずそれを助けるのも私の役割。また、音量が大きいと嫌だなと感じているのは私の課題で、自分で解決すべきこと。周りに迷惑をかけないことは大切だが、苦情があったわけでもないし、実際どの程度TVの音が隣家に聞こえているかわからない。苦情があったら改めて共同の課題にすれば良い。」と考えこの代替案を選択したのです。ここでも私は夫に確認・相談することなく独断で行動しようとしている上、もはや隣家への配慮すらなくなっているのがわかります。しかし自分で分析した時の私は、これが夫に対する配慮であり、協力的目標に向けた行動だと思い込んでいました。
これを受けてメンバーさんからは「自分でエピソード分析をすると自分のライフスタイルが助長されるだけで、協力的な代替案を出すことはできない。」と教えていただきました。本当にその通りです。

参考までに、メンバーさんが上げてくださった代替案は次の通りです。
・洗い物をする前に「今から洗い物するけど見たい番組ある?」と声がけする。
・洗い物が終わった後に「洗い物終わったし、音量下げてくれへん?」とお願いする。
・TVの音量や隣家への配慮について「私はこう思う」と伝え夫婦で話し合う。

これが真の協力的目標に向けた行動なのかと改めて思い知りました。
「周りに配慮して行動する」というプラスの私的感覚を、夫にも、そして私自身にも向けて考えることができれば、協力的目標に向けた代替案を導くことができたかもしれません。

後日、隣家への音について夫と少し話す機会がありました。私が「TVの音、どの程度聞こえてるんやろね?」と聞いてみたら、少し考えてから「普通の時間帯なら聞こえてないんちゃうかな?隣のTVの音とか話し声も全然聞こえへんし、たまに奥さんが(子どもに?)大声で叫んでる声が聞こえても、すごい小さいやん?でも早朝はさすがに気になるから、TVの音下げてるけどな。」と言っていました。そういえば、夫の出勤後にTVをつけたら、いつもすごく小さい音量だったなぁと思い出し、夫もちゃんと隣家への配慮をしてくれていたのだとわかってほっとしました。

今回もたくさんの助言と貴重な学びの機会を与えてくださり感謝しています。ありがとうございました。


☆10月の例会

【午前の部】

4名の参加でした。

各自エピソードを話した後、勇気づけの歌をみんなで読みました。
それぞれご自身のエピソードなどと勇気づけの歌に関してやり取りした後、私のエピソードを取り上げていただきました。

夫の、歯医者の予約に係る話です。
彼は外国人で、日常生活の日本語に支障はありません。6月に歯周病で歯を1本抜き、また別の歯が痛んできた、9月初めのできごとです。前の日の夜に話をして、彼が自分で歯医者さんに予約の電話をかける、ということになっていました。

翌朝、夫が仕事に出かけようとしていて、診察券がテーブルの上に置いたままなのを発見しました。(-1)
私:診察券持っていかないの?
夫:帰ってきてからかける。(-2)
私:今日は、帰ってきてからはかからないよ。
夫:今日、何曜日?(-2)
私:土曜日。朝8時からかかるのに。
夫:かけてくれたらいいけど。(-2)
私:いついつ(何日何時)聞いて、ダメだったら切って、また(夫に)聞いて、そんなことしてたら予約できないから、自分でかけたらいいでしょ。
夫:それだったらいい。月曜帰ってからかける。(-3)

結局この日は、私が電話して、水曜日の予約を取りました。
ところが、月曜日の朝にひどく痛んできて、予約外で診察してもらい、歯を抜いて、義歯を入れるという顛末になりました。
私が代わりにかけたことを、よかったとはあまり思えなかったので、エピソードとして出すことになったものです。

感情は主に怒り。
対処行動は「今日は、帰ってきてからはかからないよ」、ライフタスクは「帰ってきてからかける」を取ってもらいました。
仮想的目標:「あ、そうなんや。土曜日やから、昼までしかかからないんやね。じゃあ、仕事が始まる前に電話かけるから、診察券持っていくわ。心配してくれてありがとう」

競合的目標と取って、私的感覚を出すことになりました。
思考:土曜日やし、かからへんやん。痛いって言ってるのに、どうするつもり? 何で自分でかけないんやろう。
夫は、6月も、確か去年も、歯痛をギリギリまで我慢して、結局先生の携帯に電話して抜いてもらう、ということが続き、通常に予約して診察を受けるということがなくて、私がイライラしていること、
夫は、込み入った話(たとえばお医者さんの説明を聞くとか)の時に、サポートしてほしい、と言うことはありますが、予約の電話位かけてほしい、と私が思っていること
などを思い出しました。
自分が大切にしていることは?「自分のことを自分でやるべき」でもないし、「ルールを守る」でもない。
私的感覚のプラス:「自分の身を守るために必要なスキルを身につける」
マイナス側:自分の身を守るために必要なスキルを全部人に頼る
と言語化してもらって、納得がいきました。

夫のストレングス:慎重であること
私は、思い立ったらすぐやりたいタイプ

話を聞いてもらって、歯医者の予約の件は、夫はきっと、切迫感に乏しいのだろうし、苦手な場面なのかな、という気がしてきました。エピソードでも、「かけてくれたらいい」と言っていましたし。
対処行動の代替案を出すことよりも、
歯を抜いてもらった時に、先生に、「10月来てくださいね」と言われ、夫が「ハイ」と返事をしていましたので、その予約をどうするか、陰性感情を使わず、話し合うことにしました。「心配だから行ってほしい」と言うのはどうですか、とも提案してもらいました。

例会の日の晩、その話をし、夫が「電話しといて」と言ったので、引き受けることにしました。「心配…」は言うのを忘れていましたが。
自己執着が一つとれた、という気がしています。


【午後の部】

5名参加でした。午後からは、@来年のアドラー心理学講座の招致について、A9月に京都で開催された「AIJアドラー心理学特殊講義と演習『よい人間関係』」の振り返りのシェア、Bカウンセリングの練習を行いました。ここでは、Bについて記します。

カウンセリング練習では、私がクライエント役になり、事例を扱ってもらいました。
取り扱ってもらったのは、職場での事例です。私は知的障害の就労支援の仕事をしており、そこでの利用者さんとのエピソードです。
職場では、毎朝8時55分に朝礼があり、職員が利用者全員に向けて、一日の仕事のスケジュールの発表等を行います。ホワイトボードには、利用者の名前のマグネットが貼ってあり、その日の作業分担が提示されています。その前でお話をします。
その日は私が日直担当で、発表を行っていました。私が昨日内職のお守りを7000個納品したことを報告していると、最前列で聴いていたSさんが、私が話している途中で、
「Mコーチ(私のこと)。ちらし寿司も来ました。明日からやります!」
と言われたので、私はイラっとし、まだ話している途中なのに、と思い
「はい、おねがいします」と、一応受けて、すぐに「お守りを7000納品しました。合計五万円・・・」と話を戻そうとすると、そこに別の利用者であるNさんが
Nさん「Mコーチ、納品は?」
と割り込んでこられたので、私は腹が立ち、
「書いてますか?」と、ホワイトボードに書いてないということを怒り気味に伝えました。すると、Nさんは
「ないですね」
と応えられました。それに対して私は
「なかったら、ないんです。」と応えて、朝礼のお話の続きをしました。
以上のようなエピソードです。

まず、カウンセラー役の方に、このエピソードの中には、二人とのやり取りがあるので、どちらが困っているのか、を問われました。私は、Nさんと応えました。Nさんに対して、怒りの感情が起こることが多いと思ったからです。Nさんは、作業中にも、気づいたらすぐに職員に質問に来られます。その都度、ちょっとは自分で考えてよ、こっちは忙しいのに、などという考えを抱くことがありました。

このエピソードの後半であるNさんとのやりとりを板書し、感情の種類と点数を聞いてもらいました。
私「はい、おねがいします。お守りを7000 納品しました。なので合計五万円いきました。」
Nさん「Mコーチ、納品は?」-2 怒り
私「書いてますか?」
Nさん「ないですね」-1 怒り
私「なかったら、ないんです。」
次に、対処行動を選びました。「書いてますか?」だと決め、ライフタスクを「Mコーチ、納品は?」としました。
それから、仮想的目標を出していきました。「Mコーチ、納品は?」と言われ、「書いてますか?」と言ったら、
「書いてないですね(そうですね)。考えたらわかりますよね。お守り50000 円ってすごいですね。ちゃんと最後まで話聞きます。みんなも黙って聞いてますしね。話を続けてください。」
と相手に言ってほしかった、という目標が出てきました。仮想的目標の4つの特徴に当てはまるか確認しました。1.陽性感情を伴うか。5 点満点中5 点であり、キラキラしたイメージを持っているか。2.行為を含まないか。それ以上なにも「する」必要がないか。3.対処行動の結果であるか。4.否定文でなく肯定文であるか。
1、2、3についてはクリアし、4については「書いてないですね」が否定文なので、肯定文の「そうですね」に変更しました。けれども、これについては練習後の振り返りの中で、「事実」についての否定なら問題ないだろう、ということになりました。
ちなみに、私の今手もとにある特殊講義と演習『よい人間関係』のテキストには「『○○でない』とか『○○がなくなる』とかいうような否定形の感じでなく、『○○になる』とか『○○が起こる』とかいうような肯定形の感じをもっています」(『よい人間関係 version2.0』p.6、太字引用者)とあります。
さらに、エピソード分析の実践にあたっては、この仮想的目標を協力的目標であるととった場合に、これをお願い口調で言ってみることになる。その時に否定文だと困るということになる。今回は競合的目標と取ったから、大きく気にする必要もないだろう、というアドバイスもいただきました。
さて、上述のとおり、この仮想的目標を競合的ととりました。そして、私的感覚を出していきました。
プラス:その人の仕事はその人にまかせる。
マイナス:人の仕事のじゃまをする。
この私的感覚を味わいました。確かにそうあるべきと思っているな、と感じました。
それから、Nさんの良い面を出していきました。ここで、カウンセラー役の方に、たくさん良い面を出してもらいました。そして、「Nさん、仕事に対して積極的ですね」と言われたときに、確かにそうだ、と思いました。
この指摘によって、それまで、私は、Nさんが私の仕事の邪魔をしているとばかり思っていたのが、Nさんも仕事に積極的に参加しようと思っているのだ、と気づかされました。
それで、自分の仕事と、Nさんの参加しようとしている仕事は、「同じ仕事」ではないかと考え直し、一緒に協力して「仕事」をすればいいと思いました。だから、対処行動である「書いてますか?」の代替案は以下の通りになりました。
(ライフタスク「Mコーチ、納品は?」)
「ほんまですね書いてないですね。質問ありがとうございます。納品、興味ありますか?」
このカウンセリングで学んだことは、自分がやるべき仕事というのは、捉え方次第では、みんなの仕事なのだ、ということです。私がしている仕事というのは、仕事全体の「小さな部分」にすぎないのだなあ、ということで、それを「大きい全体」として捉えれば、「指摘」してくる人も「手伝ってくれている」と、考えなおすことができるのだということです。
次回からN さんに質問をされたら、素直に応えて、こちらからも、仕事について質問を投げかけてみようかと思います。
さて、カウンセリング練習が終わり、参加者で振り返りを行いました。カウンセラー役の方のストレングスがあげられました。落ち着いていたところや、話しやすい点、ストレングスをすらすらと出すことができるなど、たくさんの良いところが挙げられました。そのあとは、カウンセリングのやり方についてのアドバイスがありました。既述した仮想的目標の特徴の確認での否定文のこと。私的感覚を出す手順として、思考を発言してもらったあとに、「そうするとどう都合が悪い?」「どう具合が悪い?」と尋ねるのがよい、ということがありました。あとは、職場の出来事ということで、状況が複雑だから、もっと状況について質問をして詳しく情報を得たほうがいいのではないかというアドバイスもありました。
以上のような例会でした。最後の振り返りでは、今後、私もカウンセラーの練習をし、カウンセラーをぜひ目指したいとお伝えさせていただきました。今回も、たくさんのことを学びました。個人的に、今月にパセージを初めて受け終えて、アドラー心理学について理解を深めているところです。さらに、日常で実践をしていって、また京都アドラーグループの皆さんに、報告をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

*報告を作成できていない月もあります。


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